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2025.10.08
NEXCO東日本北海道支社 小樽JCTCランプ橋の夜間架設現場を公開
札樽道の本線上を跨ぐ部分に架けられる鋼重424.5t、桁長80.084m、桁高2.8m の鋼箱桁
NEXCO東日本北海道支社は、10月1日夜、札樽道と後志道のJCT である小樽JCT において、札樽道の本線上を跨ぐ部分に架けられるCランプ橋工事の夜間架設状況を現場公開した。(井手迫瑞樹)
架設する橋桁は鋼重424.5t、桁長80.084m、桁高2.8m の鋼箱桁。今回架設する桁はCランプ橋全体としてはA1-P1 に位置している。施工にあたっては札樽道の小樽IC〜銭函IC 間を夜20 時~翌朝6 時の間、全面通行止めした。Cランプ橋の上部工形式は、11 径間連続鋼・コンクリート混合箱桁であり、A1〜P3 付近までが鋼箱桁、P3 付近からA2 までがPC 箱桁になっており、P3 付近で両者が剛結されている。
鋼桁部分は桁長191.5m の鋼3 径間連続箱桁で、A1〜P3(厳密にはP1から少しP2側に位置しているジョイント部(J10)〜P3 間の110.966mは先行してクレーン・ベント工法で架設を行い完了している。
鋼桁製作は横河ブリッジの大阪工場(大阪府堺市)で行い、海上輸送により苫小牧港に到着後、陸送して現場の地組ヤードまで運び、120tクレーンを用いて仮設ベントを使い鋼桁の地組が行われた。
夜間架設当日は、まず通行止め開始前に自走式多軸台車に鋼桁を載荷し、地組ヤード位置から本線手前まで移動が行われた。通行止め開始後に自走式多軸台車を施工ヤードから札樽道本線内へ約30 分かけて進入し、札樽道への進入後、約275mの距離を移動して鋼桁架設箇所まで到達させた後、鋼桁を約500mmリフトアップさせて、時計回りに旋回させて、自走式多軸台車に載荷した鋼桁とP1 橋脚側の鋼桁の仕口位置調整を行ったうえで、添接部のボルト本数の約3 分の1 のボルトを用いて仮接合した後、約350mmリフトダウンしてA1 とP1 の仮支持用のサンドルに鋼桁を載せ自走式多軸台車から鋼桁の切離しを行った。
鋼桁から切離しが完了した自走式多軸台車は札樽道から退出し地組を行った施工ヤードに戻した。10月8日夜間に札樽道の通行止めを行い、残り150mmジャッキダウンし、下部工上の支承に据え付け、架設を完了させる予定だ(下図参照)。
鋼桁の曲線半径はR=170m。勾配は縦断が4%、横断が6%となっている。鋼重は合成床版(パワースラブ)と鋼桁併せて424.5t で、自走式多軸台車上のテーブルリフト機材と仮設鋼材を全て合わせた載荷荷重は約650tに及ぶ。これを1台当たり6軸24輪、幅2.43×長さ8.4×高さ1.5m、積載能力320t/台、自重30.7t の自走式多軸台車4 台を鋼桁の前後に2台ずつ配置し架設箇所まで運搬された。
架設箇所に到達後、鋼桁の前後に配置した自走式多軸台車上に設置しているテーブルリフターにより鋼桁のリフトアップが行われた。テーブルリフトは1 基当り幅2.40×長さ5.3×高さ1.4m、昇降能力200t/台、自重29t であり、今回の架設では、鋼桁の前後に配置した自走式台車に2基ずつ設置された。テーブルリフトと架設する鋼桁の間には、桁受梁とヒンジ沓(4基)、XY 調整装置(8基)、連結繋ぎ材などを配置している。
自走式多軸台車による運搬に際しては、約355mの距離を移動するが、既設高速道路上の勾配や段差に対応するため、段差部について養生が行われている。段差部の養生は、施工ヤードと札樽道との接続箇所と、高速道路の上下線の中央分離帯の2箇所であり、中央分離帯段差部の養生は、EPS(発泡スチロール土木工法押出法)によりすり付けスロープを設置して段差を解消し、さらにEPSの上に敷き鉄板を敷くことでEPSの平坦性と荷重が均等になる事を行い、自走式多軸台車が段差部を安全に通過できる対応が行われている。
また、自走式多軸台車の走行時の安全性を確保するために、鋼桁をリフトアップするためのテーブルリフトをできる限り低く取付けし、重心を低くする対応も行われていた。
今後は鋼桁上面の合成床版上に現場打ちコンクリートを打設する工事などが残っている。同工程は、冬季明けの来春以降に施工する予定だ。
小樽JCT のC ランプ橋が供用されれば小樽JCT がフル化することになり、小樽市から札樽道を経由し、後志道に流入し、余市方面へ行けるようになる。また、災害時は沿岸部を走る国道5 号の代替路としての役割も担えるなどの効果も期待できる(下図参照)。
元請は五洋建設(株)・(株)ピーエス・コンストラクション・(株)横河ブリッジJV。鋼桁架設の一次協力会社は自走多軸台車が山九(株)、架設工が(株)谷澤組。当日の自走多軸台車および架設工は約40 人が携わった。(11月末にPC橋も含めた詳細版を『たのしい土木』コーナーで掲載予定です)
橋梁概要図(NEXCO東日本提供、以下注釈なきは同)
架設する橋桁は鋼重424.5t、桁長80.084m、桁高2.8m の鋼箱桁。今回架設する桁はCランプ橋全体としてはA1-P1 に位置している。施工にあたっては札樽道の小樽IC〜銭函IC 間を夜20 時~翌朝6 時の間、全面通行止めした。Cランプ橋の上部工形式は、11 径間連続鋼・コンクリート混合箱桁であり、A1〜P3 付近までが鋼箱桁、P3 付近からA2 までがPC 箱桁になっており、P3 付近で両者が剛結されている。
鋼桁部分は桁長191.5m の鋼3 径間連続箱桁で、A1〜P3(厳密にはP1から少しP2側に位置しているジョイント部(J10)〜P3 間の110.966mは先行してクレーン・ベント工法で架設を行い完了している。
地組施工状況
鋼桁製作は横河ブリッジの大阪工場(大阪府堺市)で行い、海上輸送により苫小牧港に到着後、陸送して現場の地組ヤードまで運び、120tクレーンを用いて仮設ベントを使い鋼桁の地組が行われた。
夜間架設当日は、まず通行止め開始前に自走式多軸台車に鋼桁を載荷し、地組ヤード位置から本線手前まで移動が行われた。通行止め開始後に自走式多軸台車を施工ヤードから札樽道本線内へ約30 分かけて進入し、札樽道への進入後、約275mの距離を移動して鋼桁架設箇所まで到達させた後、鋼桁を約500mmリフトアップさせて、時計回りに旋回させて、自走式多軸台車に載荷した鋼桁とP1 橋脚側の鋼桁の仕口位置調整を行ったうえで、添接部のボルト本数の約3 分の1 のボルトを用いて仮接合した後、約350mmリフトダウンしてA1 とP1 の仮支持用のサンドルに鋼桁を載せ自走式多軸台車から鋼桁の切離しを行った。
桁の載荷状況
架設概要
夜間架設状況(井手迫瑞樹撮影)
鋼桁から切離しが完了した自走式多軸台車は札樽道から退出し地組を行った施工ヤードに戻した。10月8日夜間に札樽道の通行止めを行い、残り150mmジャッキダウンし、下部工上の支承に据え付け、架設を完了させる予定だ(下図参照)。
鋼桁の曲線半径はR=170m。勾配は縦断が4%、横断が6%となっている。鋼重は合成床版(パワースラブ)と鋼桁併せて424.5t で、自走式多軸台車上のテーブルリフト機材と仮設鋼材を全て合わせた載荷荷重は約650tに及ぶ。これを1台当たり6軸24輪、幅2.43×長さ8.4×高さ1.5m、積載能力320t/台、自重30.7t の自走式多軸台車4 台を鋼桁の前後に2台ずつ配置し架設箇所まで運搬された。
架設箇所に到達後、鋼桁の前後に配置した自走式多軸台車上に設置しているテーブルリフターにより鋼桁のリフトアップが行われた。テーブルリフトは1 基当り幅2.40×長さ5.3×高さ1.4m、昇降能力200t/台、自重29t であり、今回の架設では、鋼桁の前後に配置した自走式台車に2基ずつ設置された。テーブルリフトと架設する鋼桁の間には、桁受梁とヒンジ沓(4基)、XY 調整装置(8基)、連結繋ぎ材などを配置している。
自走式多軸台車による運搬に際しては、約355mの距離を移動するが、既設高速道路上の勾配や段差に対応するため、段差部について養生が行われている。段差部の養生は、施工ヤードと札樽道との接続箇所と、高速道路の上下線の中央分離帯の2箇所であり、中央分離帯段差部の養生は、EPS(発泡スチロール土木工法押出法)によりすり付けスロープを設置して段差を解消し、さらにEPSの上に敷き鉄板を敷くことでEPSの平坦性と荷重が均等になる事を行い、自走式多軸台車が段差部を安全に通過できる対応が行われている。
また、自走式多軸台車の走行時の安全性を確保するために、鋼桁をリフトアップするためのテーブルリフトをできる限り低く取付けし、重心を低くする対応も行われていた。
今後は鋼桁上面の合成床版上に現場打ちコンクリートを打設する工事などが残っている。同工程は、冬季明けの来春以降に施工する予定だ。
小樽JCT のC ランプ橋が供用されれば小樽JCT がフル化することになり、小樽市から札樽道を経由し、後志道に流入し、余市方面へ行けるようになる。また、災害時は沿岸部を走る国道5 号の代替路としての役割も担えるなどの効果も期待できる(下図参照)。
元請は五洋建設(株)・(株)ピーエス・コンストラクション・(株)横河ブリッジJV。鋼桁架設の一次協力会社は自走多軸台車が山九(株)、架設工が(株)谷澤組。当日の自走多軸台車および架設工は約40 人が携わった。(11月末にPC橋も含めた詳細版を『たのしい土木』コーナーで掲載予定です)