好川産業 鋼構造物の塗膜除去製品を主とした環境対策商品の実演会を開催
好川産業は、10月24、25日の2日間、仙台市内の好川産業仙台営業所敷地内で、鋼橋など鋼構造物の塗膜除去製品を主とした環境対策商品の実演会を開催した。実演会には約100人の施工会社、販売代理店などが参加し、商品説明や実演などを関心深く見聞きしていた。
説明・実演された商品は「リユースブラスト」、「モイスチュアブラスト」、IH式塗膜剥離機「メクレル」、ブラスト面形成動力工具「ブリストルブラスター」など。
実演会には約100人の施工会社、販売代理店などが参加した
メクレルの実演
リユースブラスト コンプレッサの圧力は、ノズルまでの距離に応じて0.7～1.4MPaの範囲内で自由に可変
4tトラックでの運用ができるようにコンパクト
リユースブラストは、鋼構造物の素地調整・塗膜剥離における高圧ブラスト工法で、東京都の旧晴海鉄道橋の歩道橋化に伴う塗替えの際などで実績を有している。コンプレッサの圧力は、ノズルまでの距離に応じて0.7～1.4MPaの範囲内で自由に可変することができ、従来の0.7MPa程度の最大約2倍の圧力を有するため、「コンプレッサから約200m離れていても約1.1MPaの力でブラストすることができる」（同社）。そのため、「2ノズルで1日当たり約70㎡の施工面積を確保できる」（同）としている。また、研削材にスチールグリッドを用いた場合、同グリッドを塗膜かすと分離し、再利用する機構として「SSMR（Shock Separate Media recycler）」を用いている。これは衝突分離方式（吸引回収した使用済み研削材を衝突版に衝突させて分離）と遠心分離方式（気流に乗せた使用済み研削材を遠心で分離）を用いることで、研削材と塗膜かすを分離して研削材をブラストに再利用できるもので、これを若干のタイムラグはあるものの、ほぼ連続化して用いることで、塗膜除去およびブラストの施工効率を向上させている。
リユースブラスト システム図
リユースブラスト
各ユニット（インバーター、サイレンサを装着したバキュームユニット、（分離機（SSMR）およびブラストユニット）
SSMR内部
騒音にも配慮している。リユースブラストに用いるバキュームユニットはルーツブロアと粉塵回収機を一体型にしているが、サイレンサを装着し、ルーツブロア稼働時の騒音を従来より約30％程度低減した。さらに、ルーツブロアの出力は37kWと55kWの2機種を用いているが、37kWと55kW、両機とも、インバーターを付けて、「従来は0か37kW(55ｋW)か、しか選べなかったが、本機械は吸い込み量を調整できるようにすることで、使用電力を最適化し、省電力、CO2排出量の削減をできるようにした」（同）ということだ。
リユースブラストの実演
機械はブラストユニット+バキュームユニット+粉塵回収機を1つのシステムとして運用しており、その重量は4t未満、サイズもh2.5×w1.780×l2.177mと4tトラックでの運用ができるようにコンパクトにしている。
モイスチュアブラスト 少量の高圧水をエアーブラストに混ぜて塗膜除去及び研掃工を行う
pH12.5のアルカリ性を付与したイオン電解水『ファイブスター』で戻り錆を阻止
モイスチュアブラストは少量の高圧水をエアーブラストに混ぜて塗膜除去及び研掃工を行う工法である。少量の水を混ぜることにより、施工時の研削材や既設塗膜の飛散を抑えることができるものであるが、従来でもそうした工法はあり、その弱点は水を使うことにより戻り錆（フラッシュラスト）が発生する点にあった。
モイスチュアブラスト システム図
モイスチュアブラスト
ファイブスター
同工法は、それを防ぐため、水にpH12.5のアルカリ性を付与したイオン電解水『ファイブスター』を用い、それを研削材にコーティングした形でブラストすることで、研削材が鋼材に衝突して割れた時にも粉塵を抑制すると共に、戻り錆の発生を阻止することに成功した。既に熊本県が管理する橋梁等でも用いられており、今後も積極的に採用を働きかけていく方針だ。
お問い合わせはこちら