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2025.12.05
NEXCO西日本 東九州自動車道 本線から宇佐料金所間延長1.5kmを4車線供用へ
民営化20年で事業量は当初の4倍に
NEXCO西日本(芝村善治社長、右写真)は26日、定例社長会見を開催した。社長会見では、同社九州支社が進めている東九州自動車道 宇佐IC~院内IC(本線から宇佐料金所まで)の延長1.5kmの4車線化工事が大詰めを迎えており、来月12日14時に供用することなどが発表された。同延長の完成により、宇佐IC~院内IC間延長4.6km全てが4車線化されることになる。4車線化によって、通行時の安全性確保に伴う死亡事故率の大幅低減、維持管理性の向上、災害時のリダンダンシーの確保も期待できる。今後も新名神など新設区間 56km、6車線化及び4車線化区間171kmの整備を着実に進めていく。
橋脚の耐震補強については策定した【高速道路の耐震補強 実施計画(令和6年1月)】に基づき「上下線の橋脚が分離している橋梁では、どちらか一方の橋脚補強を優先するなどの暫定的な整備手法(片側整備)の採用して、耐震補強を進めているが、令和5年度末時点で75.0%(全5,949橋のうち4,464橋が完了)、令和6年度末時点の進捗状況は現在集計中としている。床版取替等、大規模更新の進捗状況は令和6年度末時点で延長ベースで約41%(全281kmのうち、114km完了もしくは着手)となっているということだ。
最後に芝村社長が民営化20年を振り返った(後述)。

今次4車線化区間

施工ステップ

施工状況写真と供用後期待する効果
次いで永田順宏取締役常務執行役員保全・サービス事業本部長が説明に立ち、冬の高速道路における安全・安心について啓発を行った。今冬の傾向は、気温は平年並み、西日本の日本海側では降雪量が平年並みか多い予想で、寒気は12月上旬から1月上旬頃に入りやすい、と予測している。昨年から続いて、基本方針として、「人命を最優先に、幹線道路上で大規模な車両滞留を徹底的に回避すること」を掲げ、利用者に冬季装備の早めの準備や、出かける前の気象・道路情報の確認を促し、とりわけ荷主企業および運送事業者に対しては、大雪が予想される時は、『運行計画の見直し』をお願いしていく。また、基本的な対応として、「大雪に関する緊急発表」が発表されている場合には、行動変容を促す効果的な広報を実施する、大雪が予想される場合には、現地状況等を踏まえ、関係機関と調整のうえ予防的通行止めや並行国道との同時通行止めを行う、立ち往生車や滞留車が発生する前に躊躇ない通行止めを実施する――とした。
芝村社長は、10月1日で民営化20年になったことについても述べた。
「一番は自然災害、次いで老朽化への対策ということがある。他社の事例ではあるが、笹子トンネルの天井板落下事故、熊本地震を始めとする地震災害等を踏まえ、国土強靱化という政府の方針の中で、民営化発足当初は想定していなかった、耐震補強事業や、老朽化に対するリニューアル事業が追加された。2011年の東北大地震後は、同地震において東北道が災害時における命の道と機能したことを踏まえて、道路ネットワークの重要性が認められ、凍結されていた新名神建設事業も復活した」
「また、暫定2車線道路の4車線化も開始された。記憶に新しいところでは、高知道の立川橋上り線の崩落があるが、4車線化していたことにより、対面通行で通すことができた。これが暫定2車線では災害時に対して機能しなくなる。そうした実例も踏まえて4車線化事業がスタートし、今に至っている」

立川橋の崩落状況、4車線だから対面通行で通すことができた(NEXCO西日本資料より抜粋)
「事業規模は現在、民営化開始当時の約4倍まで拡大している。政府でも民営化後になっているというようなことでですね、政府でも20年点検(高速道路機構・会社の業務点検フォローアップ)を行われたが、引き続き安全安心にしっかり会社が取り組んで、事業を進めていきたい」。