浪速国道 大阪湾岸道路西伸部六甲アイランド第三高架橋 上部工を全面展開
国土交通省近畿地方整備局浪速国道事務所が建設を進めている大阪湾岸道路西伸部六甲アイランド第三高架橋は、下部工の施工を全て完了し、上部工の施工を進めている。既に上部工も2径間の桁架設が完了しており、現在は隣接する六甲アイランド北側臨港道路の線形変更を行った上で、同道路の南側を地組ヤード兼、工事用の切り回し道路として用い、残り6径間の製作・桁架設を進めている。元請けはIHI・瀧上JVが担っている。

橋梁一般図(浪速国道事務所提供、以下注釈なきは同)
六甲大橋西交差点を跨ぐPE4-PE5間のみ桁を自走多軸台車で運び700tATCで夜間一括架設
合成床版はチャンネルビーム合成床版を用いた
同橋は橋長504m、鋼重約4,000t、総幅員26.4mの鋼8径間連続4主合成細幅箱桁橋である。合成床版はチャンネルビーム合成床版(IHIインフラシステム製)を用いた。PE7~PE9までの2径間は、桁・合成床版底鋼板の架設、本締め、塗装が完了している。



PE7~PE9までの2径間は、桁・合成床版底鋼板の架設、本締め、塗装が完了(右下のみ、井手迫瑞樹が7月30日撮影)
現在は臨港道路の南側を一時的になくして、北側に交通をシフトさせ、南側のスペースを地組ヤード兼、工事用の切り回し道路として用いている。お盆明けから道路の付け替えに着手し、切り回し道路部及びベント部の地耐力調査などを行った上で、現在は残る径間のベントおよび桁架設が進んでいる。


現在は残る径間のベントおよび桁架設が進んでいる(井手迫瑞樹が11月27日に撮影)
今後架設する6径間中、5径間はトラッククレーン+ベント工法であるが、六甲大橋西交差点を跨ぐPE4-PE5間(1夜間に付きブロック長35mの2主桁、鋼重70t)のみ桁を自走多軸台車で運び、700tオールテレーンクレーンで1主桁ずつ上下線2主桁ずつ2夜間で一括架設する工法を採用する。架設の際は、クレーンとベントの間に桁を載せた自走多軸台車が入り、それをほぼ直上に吊り上げる形で、クレーンが桁を把持し、退出後にブームを寝かせる形で、所定の位置に桁を仮架設(後述)する。6径間分の架設が完了後、繋いだ桁は横取り装置で一気に桁位置を所定の位置に動かし、約1mジャッキダウンして支承上に据え付けて完了という施工計画を立てている。
架設後横取りを行う
塗装塗替え周期延長鋼材『コルスペース』を用いた高力ボルトを採用
横取りが必要になるのは、北側に道路交通を振った上で施工するため、その供用路線上に直接桁を架けるのは安全性の面で直接架設できないからだ。本施工では、4主桁の内、北側2主桁のみを南側2主桁箇所に仮架設し、その上に合成床版底鋼板を全長に架設する。その後、北側道路を規制したうえで、約15m分横移動させ、南側2主桁を架設するという施工手段を取る予定である。
合成床版底鋼板を架設後は、床版上へのコンクリート打設を行う。1日250~260㎥、面積換算で1,000㎡(打設厚は250mm)ほどを施工していく。コンクリート品質を保つため、施工時期は1~2月の冬季とした。スランプは15cmの予定で、合成勾配が5%に達する箇所もあるため、場所によっては締固めにスパイラル型のバイブを用いて品質を確保する方針だ。また、現場打ちRC壁高欄工も同JVで施工する予定だ。
防食面は、基本的にC-5系の重防食塗装を採用しているが、伸縮装置が存在する両端の添接部のみ、防食性能をさらに向上させ、維持管理コストの縮減を図るため、塗装塗替え周期延長鋼材『コルスペース』を用いた高力ボルトを採用している。


コルスペースを用いたボルト(左写真)の施工状況(右写真)
元請側技術者は5人、一次下請側の技能者は最盛期には30人程度が従事する予定だ。
設計は綜合技術コンサルタント。一次下請は架設が河内橋梁、クレーンおよび自走多軸台車が上組、塗装が鉄電塗装。コンクリート打設工が藤井建設。

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