NEWSNEWS List
2026.01.20
PC建協 令和8年の新年賀詞交歓会を開催
PC技術で「3本柱」に貢献
プレストレスト・コンクリート建設業協会(堤忠彦会長、右写真)は15日、東京・ホテルグランドアーク半蔵門で令和8年の新年賀詞交歓会を開催した。また、これに先立って恒例の新年記者発表を行い、直近の事業概要や受注見通しなどを説明した。賀詞交歓会の冒頭、あいさつに立った堤会長は「昨年も各地で様々な自然災害が発生したが、PC建協としては年々激甚化・頻発化する災害に対して、発災後の迅速な点検、応急補修・復旧、そして復興工事を通じて、社会の安全・安心を守る責務を全うしていきたい。より迅速な対応ができるよう協会本部と各支部の連携体制をさらに強化して、有事に備えていきたい」と述べた。
また、国土交通省が令和8年度予算案で掲げた3本柱である「国民の安全・安心の確保」、「持続的な経済成長の実現」、「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」に触れ、「とくに高規格道路の未整備区間の整備や4車線化、ダブルネットワーク化といった道路ネットワークの機能強化などの面で、PC技術が果たすべき役割は極めて大きいと認識している。私たちもこれらの事業の一翼を担って、3本柱の達成に貢献していきたい」と語った。
このほかの重点課題としては、「建設業全体にいえることだが、生産性向上と担い手確保が引き続き喫緊の課題だ。当協会ではi-Construction 2.0への対応においては、とくにプレキャスト技術やICT活用を強力に推進し、加えて完全週休二日の実現に向けた働き方改革を加速させていく。また、昨年12月に全面施行された改正建設業法に基づく『標準労務費』の基準を踏まえて技能者の処遇改善を進め、将来の担い手確保につなげていく決意だ」と述べ、出席者に理解と協力を求めた。
続いて来賓としてあいさつした見坂茂範参院議員は、建設産業の仕事量確保と、そのための財源確保の重要性を強調したうえで、令和8年度当初予算案において公共事業予算の流れに「大きな風穴があいたのではないか」と強い期待感を示した。「ここ十数年間、公共予算は対前年度比プラス20億円ほどの水準で推移してきたが、令和8年度ではプラス220億円と、ゼロがひとつ増えた。これは極めて大きなことで、私は『風穴があいた』と言えるのではないかと考えている。ここから公共事業費が伸び、後世に振り返ったとき、この令和8年度がターニングポイントだったと評されるようになればと期待している」と述べた。


見坂茂範参院議員 / 廣瀬昌由技監
この後、国土交通省の廣瀬昌由技監のあいさつ、井林辰憲衆院議員からの祝電朗読に引き続き、深澤淳志日本道路協会会長が乾杯の発声に立った。深澤氏は「『日本列島を強く、豊かに』ということだが、それを支えるのはインフラ。作家の故・司馬遼太郎さんは『土と石と鉄の詩(うた)』と題するエッセーにおいて、古代から日本人を支えて来た土木技術を非常に高く評価していた。ここで言う土と石と鉄、現代では土とコンクリートと鉄だが、このうちコンクリートと鉄を極めて高度な技術で組み合わせたのがPC技術であり、今後のインフラ整備・管理においても大きな活躍が期待されている。ぜひ皆様には総力を挙げて、PC技術により未来の日本を築いていっていただきたい」と語り、乾杯を首唱した。

深澤淳志 日本道路協会会長
PC建協が記者発表 令和7年度受注3,000億円台前半見通し
今後も「一定の事業量」見込む
同日開催された記者発表では、PC建協の各常設委員会委員長から、各委員会の活動状況や協会事業の進ちょくなどについて報告があった。
会員企業の令和7年度PC工事受注額については、3000億円台は維持するものの、前年度の3433億円を若干下回る見通しとした。減少は4年連続となる。ただし、受注額が4000億円台で推移した令和2~5年度の4年間は高速道路の大規模更新が全体を大幅に押し上げていたこともあり、受注額3000億円以上でカウントすると、令和7年度で11年連続になるという。
とはいえ、「ここ2年間は明らかな減少傾向」(堤会長)、「堅調なPC建築を差し引いた足元の橋梁新設工事や大規模工事、床版取替工事などは大変厳しい状況にあり、強い危機感を持っている」(森拓也広報委員長)とした。
なお、上期(4~9月)については1920億円で前年同期比11%増と、若干の増加をみた。うち、新設は1,003億円で6%減、補修・補強が917億円で39%増。全体に占める割合が大きい高速道路会社からの受注額が5%減となったことが大きく響いた。他方、「その他」は244億円で713%の大幅増。主な要因はPC建築の伸びで、同協会が普及活動に注力してきたことに加え、昨今の人手不足を背景に建築工事のプレキャスト化が急速に進展していることもあるとみられる。
一方、広報委員会では今年度、昨年6月13日に開催した国土交通省道路局との意見交換を皮切りに、全国の地方整備局やNEXCO各社とも意見交換会を開催し、主に以下の5項目の提案を行った。
①年度工事量の安定的な確保
②働き方改革の推進
③生産性向上の推進
④PC橋の長期保全の推進
⑤機能性向上と構造デザイン性を有するプレキャストPC建築の推進
「最も重要と位置づけている年度工事量については、国土交通省、NEXCOとも安定的な確保が極めて重要であると認識していただいており、対応に努めるとの回答をいただいた」(森広報委員長)という。
他方、技術委員会ではプレキャスト化推進事業に注力している。令和4~6年度の実績をみると、支間長45m以下の桁橋では、プレキャストPCの採用率が全国平均で57%に達したという。「とはいえ、まだまだ余裕があるともいえるので、ぜひ100%にと提案を強化している」(井手口哲朗技術委員長)
記者発表ではこのほか、令和7年1月に中国自動車道床版取替工事で発生した吊り足場崩落事故を受けた安全対策の強化とその実施状況、完全週休二日制の実現に向けた働き方改革の取り組み状況などが報告された。
冒頭、あいさつに立った堤会長は、「会員受注額は大変厳しい状況になるだろうと見ている。ただし、楽観はできないものの、国土強靭化や道路ネットワーク整備などにおいて、PC技術に寄せられている期待は依然大きい。今後も事業量は一定程度見込まれると考えている」との認識を示した。