オリエンタル白石 3Dモデルを1枚30秒で作図
オリエンタル白石は、床版取替工事における同社のSLJスラブの3Dモデルを自動で作成できる「プレキャスト床版3D作図プログラム」を開発した。実際に手動では作成に4時間を要する3Dモデルに対して、自動作図プログラムでは床版1枚あたり約30秒で作図できる。
縦横断勾配が激しい橋梁や曲線橋、斜橋にも対応
床版形状は標準版、台形版、調整版に対応
プレキャスト床版3D自動作図プログラムは、床版割付と線形計算により算出された座標値と各種寸法値の入力により、自動で床版形状、鉄筋、PC鋼材を反映した3Dモデルが作成できる。同プログラムは線形計算で算出可能な範囲で、縦横断勾配が激しい橋梁や曲線橋、斜橋に対応しており、床版形状は標準版、台形版、調整版に対応している。また、内部鉄筋や鋼桁は版形状に応じて配置できることから、実橋に近い3Dモデルの作成が可能である。
全景図 / 床版を裏返してみた状況、床版ハンチ部の形状が分かる
ヒューマンエラーによる作図ミスの解消や、作成時間の大幅な削減が可能
FEMモデル作成への適用等への活用を検討
3Dモデルは部材の干渉確認や内部構造を把握する際に効果的であるが、作成の際に多くの時間と労力を割いてしまう。しかし、自動作図プログラムを使用することでヒューマンエラーによる作図ミスの解消や、作成時間の大幅な削減を可能とした。写真のような過密な配筋の作図にも対応している。
同社では今後の改良により、数量計算書の出力や、 FEM(有限要素法)モデル作成への適用等への活用を検討しており、汎用性を高めることで更なる生産性の向上を図りたいとしている。
壁高欄鉄筋や横締めPC鋼材、床版部の鉄筋、エンドバンド継手が重なった部分の3Dモデル / ジベル孔&ジベル筋の作図
側面図
床版パネルの鋼材のみ表示した状況、これを側面からも裏からも360°の角度で見ることができる
オリエンタル白石は既に数10橋に及ぶ床版取替の実績を有しており、日本橋梁という鋼橋ファブもグループ会社としてある。その蓄積や知見をもとに、発注者から提供された二次元的な線形データからのみ3Dデータを起こすだけでなく、橋長、径間長、桁間隔、横桁配置などや施工時のクレーン配置、重量からキャンバー変化などを推定して数値を入力し、より現場に即した作図データの製作も視野に入れている。