NEXCO西日本 中国自動車道鷹の巣橋吊り足場崩落事故に関する技術検討会の第1回会合を開催

NEXCO西日本 中国自動車道鷹の巣橋吊り足場崩落事故に関する技術検討会の第1回会合を開催
2025.02.12

3つの事故推定原因を示す

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NEXCO西日本 大規模更新
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 西日本高速道路は、11日、中国自動車道鷹の巣橋吊り足場崩落事故に関する技術検討会の第1回会合を開催した(委員は綾野克紀・岡山大学 学術研究院環境生命自然科学学域 教授、鎌田敏郎・大阪大学 大学院工学研究科 地球総合工学専攻 教授、三木朋広・神戸大学 大学院工学研究科 市民工学専攻 准教授)。

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3つの事故推定原因を示す

アンカーの設置位置が計画と異なる

追加点検を行っていく


事故概要図


 同橋は1983年3月に供用された橋長180mのポストテンションPC3径間連続合成桁(Ⅰ桁)×2連の橋梁。現在は床版を取替える工事を進めていた。本事故はP4~P5径間の前方に先行して足場となる床を設置していくタイプの吊り足場設置を進めている状況下で起きた。その原因として第1回会合では、①アンカーの設置位置について、アンカー計画と異なる位置に設置し主桁の端部からの離隔が不足したこと、②吊り足場張り出し部の施工手順について、張り出し部の吊チェーン(アンカー)未設置の状態で足場設置を進めたこと、③施工中の足場上への資材搬入計画について、足場上への資材搬入計画が不明で相当量の資材が搬入された可能性があることを事故の推定原因とし、審議する方向が示された。


 ①については、吊元のアンカーについて、事前の計画では下フランジから130mmの高さに設置することになっていたのが、実際には65~91mmの高さになっており、端部からの離隔不足によりコンクリートの耐力が不足し、主桁端部のコンクリートごとアンカーが脱落した可能性があるとした。

 また、②の状況で、さらに③相当量の資材が搬入された可能性があることから、足場の崩落を招いた可能性があることを推定した。


事故の推定原因


 アンカー自体の削孔長や強度などが適切であったかどうか、などはまだ調査中という。
 
 その上で、吊元部がアンカー構造で施工中あるいは施工を計画中の足場については、同様の問題が生じていないか、追加の点検を行うことを確認した。

 追加点検の内容は①アンカーの設置位置に対する点検、アンカー設置位置の確認、アンカー及びコンクリートの耐力照査、②吊り足場張り出し部の施工手順に対する点検、吊り足場の設置手順確認、設置手順を考慮した吊り足場の設計照査、③施工中の足場上への資材搬入計画に対する点検、足場上への資材搬入計画の確認、資材搬入計画を考慮した吊り足場の設計照査――など。

 桁そのものについては、フランジの一部のかぶりが足場ごと落下したものの供用性について直ちに問題になることはないということだ。

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