SQS工法協会 都内で研究成果発表会を開催

SQS工法協会 都内で研究成果発表会を開催
2025.04.09

鋼・コンクリート部材問わず施工後10年以上たっても高い防食性能を確認

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 超速硬ポリウレタンおよびポリウレア工法を用いた鋼およびコンクリート部材の長寿命化工法SQS(スーパー・クイック・スプレー)工法を展開するSQS工法協会は3月19日、都内で研究成果発表会を開催した。研究会の冒頭で半野久光会長(上写真)は、「SQS工法協会が一般社団法人として活動を始めて丁度2年となるが,初年度は協会としての組織づくりに終始しており,やっと今年度から技術委員会,広報委員会により具体的な活動に着手した。両委員会の勢力的な活動により,本日の成果発表会を開催できたことは非常に喜ばしいことであり、今後は活動内容をさらに充実させて,SQS工法のさらなる普及を目指していきたい」と述べた。(井手迫瑞樹)

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鋼・コンクリート部材問わず施工後10年以上たっても高い防食性能を確認

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性能カタログや動画を整備し、工法の適用拡大を図る

 同工法は、2液硬化型吹付塗膜材で硬化後は強靭で高い物理性能を持つ高分子系塗膜層を形成する。施工は、専用の高圧定量送液ポンプ を組み込んだ機械化システムによってスプレー状で連続的に吹付、10~20秒後にはダレ落ちることなくシームレスに塗膜を形成する。平面以外の立面、天井面、複雑な部位も施工可能で、施工後の塗膜は均質で良好な水密性を有しているもの。

 委員会成果発表会は、大分県日田市夜明地区にある農林分野の水路補修、東京・芝浦にある浮き桟橋鋼管杭の表面保護工、さらには岩手県久慈市内にある防潮堤の保護塗装(試験施工)の3件について施工後の実態調査報告が行われた。


技術委員会


 浮き桟橋の鋼管杭表面保護工は2007年に施工されたものであるが、乾湿繰り返しが生じる箇所についてもSQS工法で施工した部分については17年が経過しているにもかかわらず損傷は生じていなかった。一方で、通常の塗装で現場施工した箇所については塗膜剥離、浮き錆などが広範囲に発生しており、結果的にSQS工法の高い防食性能を確認できた。コンクリート防食に広く使われる工法であるが、鋼部材の防食にも用いることができることが実証されたと言える。

 久慈市の防潮堤に対する防食試験塗装は2011年の東日本大震災の直前に行ったものである。施工数量は、2層(プライマー+SQS主材)696㎡と3層(プライマー+SQS主材+トップコート)1,005㎡で、2017年の調査では変状は生じておらず、今年度再度調査を行う。さらに、津波の影響で消失していたと思われていた沖の防波堤が健在で、そこに用いたSQS工法の試験施工も確認できることが分かったことから、今回初めて経過状況を調査に行く方針だ。調査では目視、付着性試験、膜厚測定のほか、削孔を行って塩化物イオンの浸透状況や中性化の進行状況も確認する。

 また、広報委員会においては、技術カタログの整備、工法を紹介する動画作成などを行うことで工法の適用拡大を図っていく方針だ。


広報委員会

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