J-ティフコム施工協会 釧路で総会を開催

J-ティフコム施工協会 釧路で総会を開催
2025.05.16

新規会員としてノナガセ、テクノユニテックの2社が入会

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 床版上面の床版防水を不要とする薄層補修、支承部の沓座モルタルの強靭な補修などで実績を増やしている超緻密高強度繊維補強コンクリート「J-ティフコム」を扱う各社で構成されるJ-ティフコム施工協会(合田裕一代表理事)とその施工協会より委託を受けた一般財団法人災害科学研究所J-ティフコム技術研究会(松本高志委員長)は4月22日、釧路市内で第11回総会を開催した。

 同工法は、鋼繊維混入率5.0vol.%以上(充填材料として用いる場合は4.0vol.%以上)を有する超緻密・高強度で流動性と材料分離抵抗性に優れ、かつ粘性に対する時間依存性を保持することで施工勾配の変化に対応できる高性能マトリックスを有する材料である。現場に応じて配調合を行うことで構造物の充填部や狭隘部に適する作業性および気中・水中の連続打設を可能とし、新設・既設構造物の補修・補強に資する最適な材料および工法を提供する。高気密・高強度であることから構造物の外面プロテクト(表面補修・補強)材として適用した場合、劣化因子が遮断され構造物の長寿命化が可能である。橋梁のコンクリート床版上面に施工した場合、床版防水層は必要としない――という特徴を有している。

CORE技術研究所 CORE技術研究所 国土強靭化への第一歩! 超緻密高強度繊維補強コンクリート『J-THIFCOM』

橋梁床版で6橋1,899m2、耐震デバイスでは17件230基を施工

各種施工機器の開発も進めていく

 合田代表理事は冒頭のあいさつで次のように述べた。

 「当会はこれで11回目の総会になる。最初に技術を持ち込んだのは10年以上前になるが、最近になり、ようやく認知度も上がり、床版上面の補修を中心に色々なところで使われていくようになってきた。今後、設計に入っている現場も増えており、今後皆様のお力を借りることが増えてくると思う」。

 また、新規会員としてノナガセ、テクノユニテックの2社が入会した。


合田代表理事と松本委員長


 また、技術研究会の委員長を務める北海道大学の松本高志教授は、「2014年に北海道の江別市で初めて床版補修に使われてから10年が経った。この4月にも同現場を見に行ったが何もなく健全であった。今後も研究、改良を進め、実績を積んでいくことで、より良い工法になることを望みたい」と述べた。


初施工した江別市の橋梁

約10年が経っても健全だった


 2024年度の活動実績としては、橋梁床版で6橋1,899m2、耐震デバイスでは17件230基を施工した。さらに技術・普及面では学会論文を14編発表すると共に、NEXCO東日本の公募案件である『防水性能を有するプレキャストPC床版の製造および施工』に応募したことや、東京都の薄層増厚材料試験に関して、水張輪荷重走行試験を実施したことなどが報告された。


NEXCO東日本 横浜新道 法泉高架橋での実施例


 また、2025年度の活動方針としては、緻密性を向上させるための改良を検討していく他、ミキサーに自動投入可能な車載型ミキサーの製作および縦横断勾配にも対応できる専用敷き均し機の検討や試験などを行っていくこと、輪荷重走行試験機を用いた各種床版試験を引き続き実施していくこと、J-ティフコムを鋼部材端部の腐食対策として用いる施工法の開発を進めていくことなどが承認された。


松井顧問と林川名誉教授


 特別講演では林川俊郎北海道大学名誉教授による特別講演『北海道における鋼道路橋の維持管理と耐震性向上』も行われ、林川名誉教授による鋼橋や鋼床版を中心に、それにとどまらない北海道の橋梁技術、維持管理技術進展の歴史が語られた。また、同会の顧問を務める松井繁之大阪大学名誉教授も出席し、J-ティフコムや鋼床版・コンクリート床版の課題に関して言及された。

 翌日は、有志による幣舞橋の橋梁見学会も行われ、橋梁談議に花を咲かせていた。


幣舞橋

見学会有志

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