CORE技術研究所 新綾部大橋でミリ波レーダーを用いたPCケーブルの固有振動計測、橋桁のたわみ測定を現場試行

CORE技術研究所 新綾部大橋でミリ波レーダーを用いたPCケーブルの固有振動計測、橋桁のたわみ測定を現場試行
2025.12.22

南京隼眼電子科技有限公司(以降、隼眼科技)と共同

Tag
維持管理
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 CORE技術研究所は、南京隼眼電子科技有限公司(以降、隼眼科技)と共同で、京都府が管理するPC斜張橋である新綾部大橋を用いてミリ波レーダーを用いたPCケーブルの固有振動計測、橋桁のたわみ測定の現場試行を行った。いずれも、ケーブル本体などに機械を取り付けず、非接触に健全度を計測できるため、維持管理の手間やコストを大きく縮減できる測定手法である。京都大学インフラ先端技術コンソーシアムのクラスター活動である『インフラセンサネットワークと維持管理基準の構築』の取組みの一環として実施された。

(井手迫瑞樹)

たわみも張力もミリ波レーダーで複数測点同時計測 斜め格子 たわみ計測 斜め格子 たわみ計測

100m以内で、水平角20°、仰角10°の範囲内であれば5本程度を非接触かつ同時に30秒程度で計測

100m以内で、水平角20°、仰角10°の範囲内であれば5本程度を非接触かつ同時に1分程度で計測

計測に必要な人数は「2人で十分」

 対象構造物である新綾部大橋は、1987年に国内で初めて支間長100mを超えるPC斜張橋として建設された橋である。ミリ波レーダーは電波の一種で、レーダーを飛ばし、その反射波を受信して、計測対象物の微小変位を検出し、それらを解析して固有周期を測定し、ケーブルの張力を測定する技術である。現場試行に当たっては、電波法の特例制度を活用した。


ミリ波レーダーの原理
ミリ波レーダーの反射波の差を検知することで、計測対象物の微小変化(上図のd)を高精度に測定する。


 従来の加速度計では、1本ずつ接触して測定する必要があったが、ミリ波レーダーでは100m以内で、水平角20°、仰角10°の範囲内であれば5本程度を非接触かつ同時に1分程度で計測できる。機械の据え付けの時間を踏まえても30分から1時間程度で測定できる。計測結果は数字によって示されるため、特殊な技術を要しない。また、計測に必要な人数は「2人で十分」(隼眼科技)ということである。コスト面では機械の費用こそ従来の加速度計と変わらないが、「人件費や接触の手間・工期短縮効果を考慮すると、その分安くなる」(同社)。計測時にケーブルの長さ、単位重量を入力すれば、ケーブル張力を測定できる。健全度の確認は予め測定、あるいは推定した初期値と実際の計測値を比較して行うことになる。


水平角20°、仰角10°の範囲内であれば5本程度を非接触かつ同時に1分程度で計測

計測状況の表示

たわみも張力もミリ波レーダーで複数測点同時計測 たわみも張力もミリ波レーダーで複数測点同時計測 斜め格子 たわみ計測

桁下から100m程度離れても桁のたわみ量を測定可能

のり面などの動的な変位も調査可能

 桁計測においては、桁下から測定することができる。コーナーリフレクタという呼ばれる目印兼反射板を桁の必要な箇所に止めておき、その変位を計測することで、100m程度離れていても桁のたわみ量を測定できる。


ミリ波レーダーとコーナーリフレクター


大きな車を走らせて桁のたわみを測定した


 同技術は、日本では初適用であるが、中国では既に多くの実績を有している。また、ケーブルの張力や桁のたわみだけでなく、ミリ波レーダーには、のり面などの動的な変位を計測するタイプもある。「のり面などの変位を計測するミリ波レーダーは、500m程度離れていても計測可能であり、豪雨や地震などの後にこれらの変位を計測することができる」(同)としている。

たわみも張力もミリ波レーダーで複数測点同時計測 たわみも張力もミリ波レーダーで複数測点同時計測 斜め格子 たわみ計測

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