たのしい土木
サーフェステクノロジー アスファルト舗装の基層と併せて脆弱なコンクリートをWJで斫る
サーフェステクノロジーは、名古屋高速道路万場線において、アスファルト舗装の基層と併せて脆弱なコンクリートをWJで斫る試みを行っている。同工法は2年前に試験施工を行っており、今回約300㎡で本格的に用いたもの。(井手迫瑞樹)
基層の切削を省略し、WJで基層ごとはつりこむ
基層の切削を省略し、WJで基層ごとはつりこむ
工程の縮減、CO2の削減なども行える
名高速は、RC床版の補修に際して1か所1㎡以上の大きさについては、原則WJではつることにしている。ただし、その前のアスファルトについては表層、基層とも切削する必要があった。
サーフェステクノロジーはその点に着目し、施工エリアを確保し、機器据え付け幅を稼ぐため基層の切削を省略し、WJで基層ごとはつりこむことにより、工程の縮減、CO2の削減なども行える工法として開発した。また、アスファルト基層を一緒にはつることにより、はつりとられたアスファルトが水とコンクリートのクッションになる音を吸収する効果も確認された。これにより「夜間のWJによるコンクリートの破砕音抑制に大きく寄与することが期待できる」(同社)。
施工前の対象個所
WJで舗装基層ごとはつる
施工完了状況
課題としてはWJのキャリブレーションの問題があったが、脆弱が予想される普通コンクリートの強度に合わせることで、健常なコンクリートをはつるリスクをなくした。既存コンクリートがぜい弱で補修部のジェットコンクリートだけが浮く箇所もあったが、それは引き剥がすだけで簡易に除去することができる。課題としては、暑中施工する場合、アスファルトが軟化し、吸引する機材に影響を与える可能性があるが、それについては注意をしながら施工することにより、未然に機材の損傷を防いでいる。さらに「WJはガラやアスファルトを冷やす方向に働くため、実際はそうした状況は起こりにくいと考えている」としている。
同社では、名高速のみならず、他の発注者にも適用を働きかけていく方針だ。