旭化工 ライトレックスSが好調
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旭化工は道路橋の桁遊間止水分野をはじめとした各種素材、製品を開発しているメーカーである。現在、旭化工の開発した「ライトレックスS」の認知が進み、公社含め採用が広がっている。「ライトレックスS」は「AF-0080」という連続気泡体で止水のできる素材を用いた連続気泡フォーム止水材である。同工法はNETIS登録(KK-230035-A)も完了している。今回は シール材・コーキング材等で問題が発生する箇所に対して有効性の高い「ライトレックスS」にスポットを当てた。
ライトレックスS
止水性と柔軟性に優れた連続気泡フォーム止水材「AF-0080」
旭化工の「ライトレックスS」が好調である。「ライトレックスS」は「AF-0080」という連続気泡体で止水のできる素材を用いた連続気泡フォーム止水材。橋梁伸縮装置等の遊間部止水や地覆部遊間等の伸縮目地部の劣化損傷した既設止水材等を除去した後に、同製品を設置する。
従来では不可能だった高い連続気泡率(75%以上)を保持するフォームでありながら、止水性があるという特徴を有している。
このフォーム材は
①フォームセルが微細である
②フォームセル同士が弁体膜で連続貫通している
③フォーム自体に撥水性がある
という特徴があり、これらの相乗効果により通常の状態で水を通さないことに加え、外力によって潰されたフォームが復元する際に水を吸い込むよりも空気を吸い込むことが容易であることにより、水を通過させない構造となっている。よって、伸縮装置が激しく挙動する箇所でも高い柔軟性を発揮し、伸縮挙動により圧縮、復元を繰り返しても水が侵入することなく、止水能力を発揮する。
コーキング材等の液体硬化型シール材は、変形時に体積が変化しないため自身の変形応力が接着界面等に集中してしまい、破断や剥離に繋がっていた。ライトレックスSは連続気泡体で構成されており、変形時には本体内の空気が抜けて体積が変わるため自身の変形応力が発生し難いため、せん断・圧縮・引張が同時に懸かる3次元の挙動にも対応しつつ、止水ができる。特に圧縮変形時に応力の発生が非常に少なく、圧縮状態で設置することで伸縮挙動時の接着界面や本体への影響が非常に小さくなり、高い耐久性を長期に保持することができる。
ライトレックスS
ライトレックスSの施工フローチャート
伸縮回数11,000回の溜水伸縮性能試験を実施、漏水なしの良好な結果得る
旭化工は同製品の止水性能を確認するため溜水伸縮性能試験を実施。製品の特性上、連続気泡フォームが止水部であることから、伸縮試験は水を溜めたままの状態で行った。溜水高さは最小圧縮時に100mmとなるように調整、伸縮幅は40 〜120mm、伸縮回数は11,ooo回(365日×30年相当)の条件で試験を実施したところ漏水なしとの良好な結果が得られた。
製品構造は止水層・不陸調整層が連続気泡止水EPDMフォーム、伸縮層が連続気泡ウレタンフォームで構成。 ライトレックスSは遊間量に対して設計されるため、定型サイズを規定していない。ただし、伸縮挙動の際の変形挙動を考慮し製品幅100mm以下を基本としているが、伸縮量や用途によってはこれを超える場合がある。
新たな市場ニーズに応えるべく今後の開発へ
これらの特徴が高く評価され、認知が進んで引き合いが増加傾向にあるとともに、公社含め採用実績を着実に伸ばしている。こうした中、同社はさらなる止水材需要を補足し新たな市場ニーズに応えるべく今後の開発計画として、①総連続気泡体乾式止水材の大型化②高難燃ゴムフォーム素材の上市③水膨潤性フォーム素材の上市などに向けた研究を進めていくという。
また、ライトレックスSやAF0080等の連続気泡体の止水材についてもコーキング材等で問題が発生するような箇所に対して有効性が非常に高いと考えられ、これらの箇所への差し替え提案を行なっていきたいとしている。