高専発、インフラメンテナンス人材育成・KOSEN-REIM(高専レイム)の挑戦
FIMEPの目的(その3) 学生向けのメンテナンス講習会
KOSEN-REIMの活動において実習フィールドを整備して以降、11月18日(土木の日)前後に、福井県道路保全課や福井県コンクリート診断士会と連携した学生向け講習会を開催しています。過去に実施した橋梁の老朽化対策に関する学生向けの学習会の様子を図4(A)に示します。聴講者は環境都市工学科5年生であり、学習会は二部構成で実施しています。第一部では対面や遠隔での講演を聴講します。講師は、国土交通省福井河川国道事務所から「道路の老朽化対策」について、また、福井県コンクリート診断士会からは、「福井県のコンクリート構造物の劣化」、元福井高専特命助教の宮川清剛氏からは「鋼橋の劣化特性」についての講演を頂いています。
第二部では、実習フィールドを活用した実習を行います。図4(B)は、ゲルステイン法によるASRの調査、(C)は、ドリル法による中性化深さの調査、(D)はRC床版のひび割れ調査と打音調査、(E)は、鉄筋探査の様子です。他にも超音波伝播速度測定による凍害劣化深さの実習も行われています。いずれの実習も学生自らが点検等を実践し、メンテナンスの重要性を啓蒙することができました。
図4 橋梁の老朽化対策に関する学生向けの学習会の様子
おわりに
今回は、福井高専におけるKOSEN-REIMの活動を紹介しました。高専は、中学校を卒業した生徒を学生として迎え入れ、強くて長持ちする構造物を建設するための勉強を行います。また、数年前から構造物の点検や保守を学ぶ科目として「メンテナンス工学」も開講しています。KOSEN-REIMの活動で準備した実習フィールドは、5年生の「メンテナンス工学」でも活用しています。
これからも福井県社会基盤メンテナンス推進協議会と連携しながら、「地元の橋は地元で守る」をモットーに、チームスタッフが一丸となってリカレント教育や若手技術者の育成に取り組んで参ります。
付記
一般財団法人高専インフラメンテナンス人材育成推進機構(一財KOSEN-REIM)では、インフラメンテナンス人材を育てる高専教員と、インフラメンテナンスを担う実務者とをつなぐイベント「KOSEN-REIMフォーラム2025」を7/31~8/1に大阪市内で開催します。会員外の皆様にもKOSEN-REIMを知っていただくいいきっかけとなると思いますので、ぜひお気軽にご参加ください。お申込みはホームページからお願いします。
https://www.kosen-reim.or.jp/