新しい時代のインフラ・マネジメント考
4.新たな動き
「橋の終活」ということも言われだした。日大の岩城先生のところが提唱しだしたが、こういうことも必要な時代になってきた。表には出てきていないが、橋などを撤去しようとしたときに、莫大な費用が発生する。造るときの費用よりも必要になるのだ。これは自治体にとって非常に苦しい。苦しいどころか「できません」ということになり廃墟になっていく。


高知で行われた橋の終活会議 / 実際の橋の現場(いずれも著者提供)
これをどうやって、さばいていくかというマネジメントである。私の「トリアージ」と同様の考え方である。これまで「長寿命化」や「予防保全」の陰に隠れていた実態である。全国には明るみには出ていないが撤去すべき橋梁は数多く存在すると考えられる。しかし、これが今まで言えなかったのだ。わつぃのように言ってしまうと、バッシングを受ける。それは、実態が見えていない方々からのバッシングだったのだが、体制はそっち側であった。しかし、やっと実態が見える方々が出てきたと言うことである。
これは正しい考え方であり今後は撤去技術の開発なども期待されるところである。そして、これの検討をどうっ進めていくかということが重要になる。「撤去のマネジメント」である。
まずは橋の計画・設計時に現在は極端に鋼橋の採用が少なく感じている。たぶん長寿命化・予防保全という時に塗装の塗り替えが厄介だからというのが大きな理由であるだろう。そして、コンサルタントに鋼橋がわかる人間が少ないからである。
実は鋼というのは優れた材料であるのだがそれがわかっていない。何よりも真のライフサイクルコストを考えたときに、撤去解体、リサイクルに優れるのは鋼の方である。コンクリートは本来は厄介なはずであるがなぜか特に地方へ行くとやたらコンクリート橋が多い。将来大変だなと思いつつ、かわいそうにと思ってしまう。例えば、オーバーブリッジなどは撤去するのが大変である。新設時の1.5倍から2倍はかかるのではないだろうか?
撤去費が捻出できないと、廃墟として残り、災害時のリスクが増加する。何よりも通行止めでも点検費や事故を起こさないための維持管理費は必要となるのでコストはかさむ。
長寿命化・予防保全という、甘い言葉に紛らわされていれば、事故を誘発する。この言葉は、考え方としては正しいが、マネジメントがきちんとできなければまやかしの言葉である。撤去費が、財政を圧迫する状況が、現実となる日は近い。
富山市ではトリアージ思想の中で、撤去に関しても早期の実施を目標にしてはいるが、市民の反対などにあって進まない状況でもある。結果通行止めで、モニタリングシステムでの監視などを実施しているが、マネジメント的には無駄である。そういうことまで考えられなければならない。
マネジメントとは、生い立ち、計画・設計・施工・運用・維持管理・廃棄、その後のリサイクルまで考えるのが、トータルマネジメントであるが、LCCを出す場合に適正な評価ができていないのも現実であり、単純な思想のもとに検証しているからコンクリート橋が増える。
マネジメントとは、あらゆるリスクも考えつつ物事に対処し、イレギュラーな事項にも対応しなければならず非常に厄介であるはずである。
5.まとめ
新技術の導入や群マネを売り込んでいくのは良いのだが、無責任に食い荒らしていく者が居る。先日の委員会でお隣の先生と顔を見合わせてうなずきあったが、自分たちの利益や実績作りで相手のことを全くと言ってよいほど考えていない企業もある。まあ、採用してしまう方が悪いのだが、相手のレベルや理解度が、問題になる。持続的に使えるかという問題もある。これは動物と一緒である。
クマの出没が多く被害が多い。これは大変なことであるが、自然界のバランスを欠いた結果である。天敵であるオオカミの絶滅。人工林の増加。しかも荒れた人工林。これでは動物の居場所がない。こういうことをする人間であるから、生物も被害を被る。
富山市の運営する、「ファミーリーパーク」という動物園がある。規模は大したことはないが珍しい動物もおり、特に「ライチョウ」に力を入れている。人工ふ化にも取り組んでいる。ユニークな動物園で結構人気だそうだ。そこの知人が困っている。クラウドファンディングを企画して公募したが思ったように集まらないそうである。地方の小さな動物園なので資金繰りにも苦労している、興味のある方々は、よろしくお願いしたい。助けてやってください。有名なところにはお金が集まるが。無名のところにはそうでもない。インフラメンテナンスも同様です。お願いします。今後、ネーミングライツや、クラウドファンディングも場合によれば必要になるかもしれない。
「残そう、ライチョウ!動物園の次なる挑戦」
https://readyfor.jp/projects/nokoso-raicho-fp2025
2026年2月13日(金)23時まで。





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