元気なインフラ物語

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2024.09.09

③インフラ整備と脱炭素

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インフラサービスにおける省エネ推進・CO2削減に寄与する

 個別のプロジェクトでCO2排出量の削減を追求することは、「生産性向上」であり、「質の高い投資をする」ことなので大歓迎。そして、質の高い投資を積み重ね、投資の総量(現代では社会のCO2の「総排出量」とほぼイコール)も増やすべき、そうすることで社会は健全に発展していく、というのが私の考えです。

 発展していくためには、投資の総量を減らしてはいけないのです。

 さて、2021年11月24日にプレスリリースされましたが、私が研究代表者で、国土交通省関東地方整備局の「技術(シーズ)マッチング」という制度の、取組1:インフラサービスにおける省エネ推進・CO2削減に寄与する研究、において「生コンの廃棄物等を資源として革新的に活用する方法についての技術研究開発」というプロジェクトが採択されました。(このプロジェクトの3年目の2023年に関東地方整備局の依頼で講演した動画はこちら(https://www.youtube.com/watch?v=RGNu2flAOp4&t=493s))

 私はこの研究において、「CO2の排出総量」を削減することを目指すような文言を一切、申請書の中に書いていません。すなわち、CO2の排出総量を削減することを目的とするような研究は一切やるつもりはありません。

 ですが、当然に今の社会に「真に」求められていること、を達成するためにこの研究もやります。「真に」ですよ(「目先の」お金儲けのため、ではありませんよ。念押しのため)。当たり前のことです。

 上記の採択された研究においては、委託側から求められている「インフラサービスにおける省エネ推進・CO2削減に寄与する」という目的に対しては、当然に貢献するつもりです。

 使いようのない廃棄物にお金をかけて処理している現状があるとして、そのような廃棄物を有効に活用して、社会のニーズを満たすプロダクトに変換できれば、素晴らしいと私は思います。

 さて、私が強調したい最後のポイントですが、脱炭素やCO2排出総量を減らすことを目的とする方々と、私とでは、やろうとしていることが似ているように見えて、実は全く異なってきます。いろんなことをやればやるほど異なってきます。

 例えば、造粒したポーラスコンクリートというものがあり、これをコンクリート舗装として使うとしましょう。脱炭素派の方々は、ポーラスコンクリート舗装にCO2を吸収させたい、と思うらしいです。私は一切そんなことは思いません。どうせ大した吸収量ではないので、CO2を吸っても吸わなくてもどうでもよいのですが、むしろ吸わない方が植物もたくさん育つ、と心の底から思っています。


図1 造粒ポーラスコンクリート

図2 スラッジ微粉末を用いた造粒ポーラスコンクリートの開発

図3 特殊混和剤を使用しない,スラッジ微粉末を大量に添加することによる
造粒ポーラスコンクリートの製造と性能の検証(2023年度の卒業研究)


 では私はどうするか。CO2など吸っても吸わなくてもどちらでもよいですが、仮にポーラスコンクリートがCO2を吸う能力が減ったとしても、誰も使わない廃棄物を活用し、同じ性能のポーラスコンクリートができた方がよほどうれしい。

 これが私の考え方です。脱炭素やCO2排出総量削減を目的とする方々とは、研究の目標も、哲学も全く異なりますので、この点を明確にさせていただきました。

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