高専発、インフラメンテナンス人材育成・KOSEN-REIM(高専レイム)の挑戦

高専発、インフラメンテナンス人材育成・KOSEN-REIM(高専レイム)の挑戦
2024.12.01

第4回 「自ら学ぶ力」と「問題解決に使える力」を身に着けさせる

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高専発、インフラメンテナンス人材育成・KOSEN-REIM(高専レイム)の挑戦
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失敗事例・成功事例をアーカイブして財団の会員で共有

【財団としての今後の抱負】

 KOSEN-REIM財団としては、上記に示す高専が実施するKOSEN-REIM事業への経済的支援を主軸におきつつ、それ以外にも、インフラメンテナンスに係る貢献者への表彰を考えています。これは、ヘンリー・キッシンジャーも提唱している「予測の問題」に係ることです。予測の問題とは、「大惨事を阻止しようと先手を打っても見返りがない。なぜなら、避けられた大惨事、起こらなかった事件に対して感謝する人はいない。」という話です。大惨事が発生すればニュースで取り上げてもらえますが、それを防いだ場合はだれからも称賛されません。そういう貢献者に対して表彰していきたいと考えています。

 次に、インフラの建設やメンテナンスの大切さや大変さ、社会的意義の高さなどを一般市民に周知していく活動も進めたいと考えています。インフラは国民共通の資産のはずなのですが、それへの愛着を育むためには何をすれば良いのだろう?その一環としてこの記事の投稿があります。

 さらに、財団では、インフラにまつわる、失敗事例・成功事例をアーカイブして財団の会員で共有することを考えています。失敗事例を集めることは、「想像力の欠如」による致命的エラーを防ぐ唯一の方法だと思っています。人は失敗をするし、良かれと思った対策が間違いだったと後からわかることもあります。役所の論理で間違いを間違いと言わないがために、ねじれが生じていることもあるでしょう。そういう間違いを認めたうえで、その間違いも含めてどのように問題に立ち向かうのか?それを考えていくことが大切なんだと思います。魔女狩りをするよりも、その事象の共有と、その原因や背景を考察すること、そして、なぜ、その状況に陥ってしまったのかを推理することが大切なことだと思います。魔女狩りをして、それを取り締まるルールを作っても、状況の改善はされず、きちんとまじめに仕事をしている人の負荷が増えるだけですからね。

 財団設立のときから、財団でなければ成しえないコトとして上記のようなことを考えていました。読者の皆様方の中で賛同いただける場合は、是非とも仲間になってください。そういう中から、基準や規定、ルールで防ぎきれないような不具合や齟齬に立ち向かうための、ネットワークを構築していきたいと考えています。

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【「シン・インフラメンテナンス」を考える】

 今挙げたようなことを、私1人ではなくインフラメンテナンスに携わるみんなで考えていきたいと思っています。毎年開いている舞鶴高専社会基盤メンテナンス教育センター(iMec)主催の「iMecフォーラム」では、毎回テーマを決めて、立場の異なる登壇者とこれからのインフラメンテナンスについて意見を交わしています。今年のテーマは「シン・インフラメンテナンスを考える。」市民参加や情報共有の話なども出てくるのではないかと思います。12月24日にキャンパスプラザ京都で行い、京都大学の高橋良和先生に「街中の土木を市民と楽しむために」と題して基調講演をいただきます。事前申込み制ですので下のチラシをご参照のうえ、ふるってご参加ください。

 次回はKOSEN-REIM財団の専務理事で、都城高専校長の田村隆弘先生にお願いいたします。

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