NEWSNEWS List

2025.04.18

福島県 国道252号の只見町内 出逢橋が雪崩で流失
仮設橋などを用いて早期の復旧を図る

Share
X Facebook LINE
 福島県は11日、管理する国道252号の出逢橋(只見町大字田子倉地内)が雪崩により流失したことが確認されたと発表した。同橋は約40mの鋼単純径間橋。今冬は積雪量例年に比べて著しく多く、2月の積雪量は325cm(只見観測所)に及んでいた。同橋から80mほど新潟側の沢の上にはあいよし橋(橋長93mの鋼πラーメン橋)という橋梁が架かっていたが、同橋も2022年の2月、只見地方で321cmの積雪を記録した際に雪崩により流失。旧道を利用して復旧すると共に、下流に本格的な災害復旧のための新橋(橋長約130m)を建設中であった。出逢橋はその工事用道路としても活用されている橋梁であり、福島県は落橋箇所または山側に名残をとどめている旧道に仮設橋を作るなどして早期の復旧を図る考えだ。(井手迫瑞樹)


位置図 / 流失前後の出逢橋(福島県提供資料より抜粋)


 同橋は、実は手負いの状況で供用されていた。2022年の雪害で同橋も桁が1本損傷し、損傷した桁を抜き、生き残っている部分を活用して片側相互通行により供用を行っていた。国道252号は新潟・福島県境をつなぐ重要な国道ではあるが、冬季は基本的に通行止めであり、供用期間は年の半分程度である。さらに1日の交通台数は上下線合わせて701台(令和3年交通センサス)である。但し夏季の観光道路としては重要な路線であることから、安全性を考慮し、あいよし沢の130m下流に橋長289mの3径間PCラーメン箱桁橋の新設を含む延長480mの道路の建設を進めており、同道路が完成すれば、今回流失した出逢橋も必要なくなり、道路線形的にも非常に良い短絡路ができるはずであった。


以前の雪崩による被害。あいよし橋は流失し、出逢橋は桁が1本変形した / 建設中のPCラーメン箱桁の位置と概要図
【令和5年2月17日開催】国道252号あいよし橋雪崩流失等に係る南会津地方対策本部会議【第5回】 資料より抜粋


 出逢橋は山の斜面と約10m離れていたが、2022年時と同様の異常積雪によりその離隔を超えて大量の雪崩が襲い、橋梁を流失させた。その状況を鑑みると、仮設橋は冬季においては一時撤去をする必要があり、撤去と仮設がスムーズに行える仮橋が望まれているようだ。今後はその仮設橋をどこに設置するかを検討すると共に、建設中の新設橋(現在は仮設設備のみで、本体工事は未着手)の工事もピッチを上げていく必要がありそうだ。

pageTop