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2025.05.16

阪神高速道路 新港・灘浜航路部では、海上長大橋工事 2年後をめどに設計完了
淀川左岸線延伸部 全国初の堤防・トンネル一体構造の安全性検討が完了

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 阪神高速道路(吉田光市社長、右写真(井手迫瑞樹撮影))は13日、本社で定例社長会見を開催した。

 吉田社長は、万博開始までの「最大のミッション」と位置付けた淀川左岸線(2期)の大阪・関西万博会場へ向かうシャトルバスなどのアクセスルートについて、「無事、整備を完了させると共に、最大30分で新大阪から会場までをつなぐことができた」と述べた。同事業は引き続き、大阪市より委託している海老江地区および豊崎地区の工事について、橋梁の付属施設設置工及び換気所の掘削工などを実施していく。


淀川左岸線(2期)、同延伸部概要図(阪神高速道路提供資料より、以下同)


 淀川左岸線延伸部は、豊崎地区で地中障害物撤去工などを実施している。堤防・トンネル一体構造区間では安全性の検討がこの3月に完了し、「国の大臣特認を頂いた」(吉田社長)。現在は、仮堤防の設置に向け、国との調整進めている。設計検討にあたっては「治水上の安全確保が大切」(同)であり、「堤防強度の影響や、水の浸透流解析、地下水への影響などの多面的な検討が必要であったが、全国初となる堤防内部にトンネルが通るハイブリッドインフラを実現することができた」と述べた。今後は有識者の助言なども踏まえて、トンネル構造の具体的な設計検討を進めていく。

 大阪湾岸道路西伸部は、駒栄地区では開削トンネル工事を実施、六甲アイランド地区では橋梁の橋脚及び基礎の工事を実施している。新港・灘浜航路部では、海上長大橋工事(設計業務)を技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)で昨年末に契約、「安全性と景観性、長期維持管理性の基本コンセプトを大切にしながら」(同)2年後の設計完了を目指し、詳細設計を進めている。阪神高速道路が開発した鋼管集成橋脚、UFC床版についても陸上部の橋梁で採用を検討しているという事だ。


大阪湾岸道路西伸部概要図


 名神湾岸連絡線については、現在国と共に予備設計を進めている。渡航部における構造検討や、各JCT部における交通影響・施工法検討などを実施している。


名神湾岸連絡船概要図


 高速道路リニューアルプロジェクトについては、14号松原線喜連瓜破付近高架橋の大規模更新、16号大阪港線阿波座付近での縦目地の解消に伴う橋桁の一部架替え工事などがおおむね完了したことを報告した。また、Ⅰ5号堺線湊町付近については、全9基の鋼製基礎工事のうち3基の支承取替を完了、合わせて内外面の防食工および躯体コンクリート工など本体工事が完了している。今後は「休止している湊町付近の工事の再開をはじめ、3号神戸線湊川付近、同京橋付近の大規模更新工事などを動かしていかなくてはいけない」と述べた。


リニューアルプロジェクトの進捗状況と事業個所

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