NEWSNEWS List
ヤマダインフラテクノス 第8回安全衛生協力会を開催
スローガンは「二度と起こすな重大災害 あなたの帰りを待つ家族と職場」


さらに、「安全や品質は決してお金で買えるものではない」と述べ、人への思いやりと目配りを持ち、風通しの良い組織づくりを目指したいと呼びかけた。日々変化する社会環境のなかで、「人命尊重」の意識を常に持ち、それぞれが安心して暮らせる生活環境を守っていくことが大切であると締めくくった。
続いて、鉞勇貴副会長(鍼組、代表取締役、左写真)が、「安全大会は、ただ開催するだけでなく、参加者全員が内容を理解し、日々の実践につなげていかなければならない」と述べた。また、指示を出す立場の者も、指示を受ける立場の者も、安全に関する知識をしっかり身につけることが重要であり、安全性を損なうような状況に直面した場合には、たとえ相手が上司であっても、安全を最優先に行動し、自分の命を守る意識を持ってほしいと呼びかけた。
安全講演ではヤマダインフラテクノス・安全品質部の篠田哲弘氏が「追突事故防止について『人は気付く間もなくブレーキを踏んでいる』」と題し講演。交通事故全体の50%を占める追突事故の増加に懸念を示し、実際行われた実験を例に「前を向いていれば自然とブレーキを踏む。人間の脳はそうできている」と述べ、よそ見運転やながら運転の危険性を指摘。また、「ぼんやりしていた」という追突事故報告に関し、前を向いて運転していたらそういうことはあり得ないのではないかと疑問を投げかけた。運転する際の危険の予測、1分ごと1秒ごとに状況が変わることを意識しながら目視を心がける、差し当たり危険がないことを確認したとしても運転以外のことを考えない、ブレーキランプやウィンカーの点検を必ず行うことなど事故防止の基本を改めて確認した。
安全講演「追突事故防止について『人は気付く間もなくブレーキを踏んでいる』」
当日は各種表彰も行われた。まず、安全衛生に携わり、他の模範となる意識行動が認められた「安全優良安全賞」は6名が受賞した。次に安全優良特別賞実習生の部に4名、安全優良特別賞に4名が選ばれた。安全優良賞協力会社の部では株式会社協栄工業、岡野技研株式会社、株式会社YPC、オオダテ企画株式会社、有限会社丸秀建設の5社が選ばれた。
安全優良安全賞 受賞者
安全優良特別賞の受賞者
安全優良賞協力会社の部で受賞された協力会社
最も安全面のみならず総合的に成長した社員に授与される社長賞は工藤直樹氏が受賞した。当日は工藤氏は会場に来られなかったが、山田社長は「工藤氏は金沢高架橋の工事を担当しており、お客様からの信頼を得て、風通しよく仕事をし、絶え間ない努力を続けていることが高く評価された」とコメントした。
最優秀標語賞は「声かけで仲間にかけよう言葉の安全帯」で4月に入社したばかりの新崎将真氏が受賞した。新崎氏は受賞の喜びを語り、「このような賞をいただけたのは現場で一緒に作業している先輩方と協力会社の皆様のおかげだと思う。まだ入ったばかりで声がけをされる立場だが、積極的に自分からも声がけし、『実際の安全帯』と『言葉の安全帯』の二重がけで安全に徹していきたい」とコメントした。
新崎将真氏(左)と最優秀標語賞に選ばれた標語
その後、山田雄大氏(工事本部次長)によって安全スローガンが発表された。令和7年度の安全スローガンは「二度と起こすな重大災害 あなたの帰りを待つ家族と職場」。続いて栫山一掛氏(営業本部次長)によって安全唱和が行われた。
安全宣言文の発表で示された令和7年度のスローガン
安全唱和
安全の誓いでは、山田拓弥氏(ヤマダインフラテクノス・常務取締役、左写真)が登壇し、安全標語へのたくさんの応募に感謝を述べた。今回は119件もの応募があり、その中には、ひときわ印象的で過激な表現の標語もあったという。山田常務はその標語「分かっていて言わないのは殺人犯」を紹介。「確かにかなり強い表現ではあるが、まさにその通りだと思った。それほどの意識を持たなければ、安全は守れない」と語り、現場で危険を認識しながら声を上げないことは、事故につながる重大な行為であり、「分かっていても言わないのは、確信犯であり、殺人犯と言われても仕方がない」と安全に対する強い意識が重要であることを訴えた。
また、「それは危険であると言ってよいのか、言わない方がいいのか」といった曖昧な空気が生まれること自体が問題であり、組織の「風通し」が重要であると訴えた。「風通しというのは、最後に“噴き出す口”が開いていないと通らない。部下の話を最後まで目を見て聞いてあげられる、そんな上司になることが必要だ」と幹部に呼びかけた。
さらに山田常務は、「昨年、新しい家族が誕生した」と私的な想いに触れ、守る存在が増えたことで、何よりも“安全に帰る”ことの大切さを改めて実感したと語った。また、2年前に発生した事故を振り返る場面では、声を詰まらせる一幕もあった。
現場作業に限らず、他の業務に従事する社員においても、交通を含めたあらゆる場面での安全意識が不可欠であると訴え、たとえ軽微な交通事故であっても見過ごすことなく、「ゼロ災害」を目指してほしいと力強く誓いの言葉を述べた。
閉会の辞では、山田翔平氏(ヤマダインフラテクノス・専務取締役、右写真)が登壇。「近年はコンビニや飲食業に限らず、さまざまな場面で外国の方々の力を借りて、我々の生活が成り立っている。多様化やグローバル化の流れは、我々の世代に強く突きつけられている」と述べた。
業務で訪れたベトナムでの経験を振り返り、「現地の人々は、上司であっても言いたいことをはっきりと言う。非常に良いことだと感じた」と語り、風通しの良い、率直な意見交換ができる職場環境の重要性を強調。「熱い議論を交わせばよい。現場でも日常的に会話を重ね、自らの心を磨いていってほしい」と、力強く呼びかけた。
さらに、「現在、社内では出産ラッシュが続いており、パパ育休を取得してもらっている。その育休から学んでほしいことがある。子どもが生まれたら育てるのは当たり前。その子どもが、また子どもを産む。ここで足を止めてしまえば、その先の未来は閉ざされてしまう」とし、「建設業としても、次世代に向けた持続的な流れをつくっていかなければならない。真剣に挑戦しなければ、30年後にはその道さえ残らなくなる」と訴えた。
安全についても言及し、「人は安心すると気が緩むものだが、それを思い返す機会を持つことが、事故の防止につながるのではないか」と述べ、締めくくった。