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2025.11.07

SEEE協会 2025年度技術講演会を開催
カーボンニュートラルへの取組みや橋梁技術をテーマに

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 SEEE協会は11月5日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷において「2025年度技術講演会」を開催し、約100名が参加した。


 開会にあたり、阪口朗会長(左写真)より趣旨説明が行われ、「本日は様々なプログラムが組まれているが、特に伊代田岳史・芝浦工業大学教授による『カーボンニュートラル実現に向けたコンクリートの取組み』は、建設業界に身を置く我々にとって参考になるのではないか」と挨拶があった。


 続いて、「新東名高速道路 河内川橋(仮称)の設計」と題し、山﨑啓治氏(右写真)が講演を行った。河内川橋は鋼・コンクリート複合バランスドアーチ橋として設計され、前例のない構造形式であったため、「どこかをいじるとどこかが成り立たない」という難しさがあったと語った。どのように設計を進めるか苦心した経緯を振り返り、熱い議論を重ねながら新たな価値と性能を追求したチームの信頼関係と対話の重要性を強調した。


 次に、「新東名高速道路 河内川橋(仮称)の施工」と題し、有山裕亮氏(鹿島・大成特定建設工事共同企業体)(左写真)が講演。鋼・コンクリート複合バランスドアーチ橋の張出し架設に関する技術的解説を行った。


会場の様子


 続いて「2024年度活動成果の概要報告」(SEEE協会土木分科会)では、土木分科会の活動テーマ「過去から学び未来へ繋げる橋梁技術」について報告が行われた。
 報告では、①4橋梁を対象にした新設から補修・補強・更新に至る変遷、②ポストテンションT形桁における標準設計の変遷、③塩害による劣化と補修・補強対策の具体的内容およびその変遷、④過去に主流であった工法の変遷と衰退――の4つのテーマについて紹介された。


 土木分科会が過去から学び未来へ繋げる橋梁技術」をテーマに報告


 最後に、伊代田岳史・芝浦工業大学教授(右写真)による特別講演「カーボンニュートラル実現に向けたコンクリートの取組み―高炉スラグ微粉末やCCU材料の活用―」が行われた。講演では、カーボンニュートラルの実現に向けて建設業として取り組むべき課題、コンクリート業界での対応、日本のコンクリート関連各省庁の施策、さらに直接削減・間接削減に向けた具体的な取り組みが紹介された。まとめとして、維持管理を含めた設計の重要性や、脱炭素を意識した材料の有効活用について言及し、今後の方向性を示した。

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