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2026.01.09

建設コンサルタンツ協会 令和8年新年賀詞交換会を開催
政策提言まで行う能動的な業界への変革を目指す

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 建設コンサルタンツ協会(大本修会長、右写真、井手迫瑞樹撮影)は、8日、東京・ホテルグランドアーク半蔵門で、新年賀詞交換会を開催した。

 冒頭の新年あいさつで大本会長は、「昨年1月に埼玉県八潮で発生した下水道管損傷による道路陥没事故、金子恭之国土交通大臣の地元である熊本および鹿児島での豪雨災害、都心部での記録的大雨による浸水被害などが相次いだ。これらの災害は激甚化・頻発化の傾向を示しており、膨大なインフラストックの老朽化と少子高齢化が進む社会での対応が求められる複雑な社会課題となっている」と述べた。

 建設コンサルタントの役割の拡大についても言及した。

「従来の調査、計画、設計から始まった業務範囲をその役に留まることなく、防災減災、発災後の復旧復興、維持管理、施工マネジメント、事業そのもののマネジメント、カーボンニュートラルの推進まで大幅に広がっている。その役割を確実に担うためには「将来の担い手を確保し、技術力、知見を結集して役割をしっかり果たしていく必要性がある」と語った。

3つの重要なポイント

 その上で協会の取り組みについて3つの重要なポイントを提示した。

 第1の取組みは、令和8年度から建設コンサルタント版のスライド条項が導入されたことを挙げた。技術者単価も13年連続でアップしていることを合わせ、「協会の要望・提案活動が大きな成果を上げている」ことを強調した。また、「発注者との意見交換会では、将来の担い手確保に関して受発注者間で危機感を共有し、解決に向けた強い意欲を感じることができた」と語った。

 2つ目の取組みとしては、昨年5月に策定された「建設コンサルタントビジョン2025」により、持続可能な社会の実現に向けた業界の方向性を示したことについて言及した。コンサルタントは、受動的な受注産業から、研究開発や価値創造に取り組み、政策提言まで行う能動的な業界への変革を目指し、持続可能な未来社会の実現に向けて中核的な役割を担いたいとの意向を示した。

 3つ目の取組みとして、建設コンサルタントの地位向上について語った。同協会では、昨年6月に建設コンサルタントの地位向上検討委員会を設立し、3つの課題について取り組んでいる。喫緊の課題として、業務における生成AIの利活用と技術開発における成果品の利活用、短期的課題として品確法改正への対応とガイドライン作成、中長期的課題として報酬制度改革、知的財産権の獲得、建設コンサルタントの認知と向上などに段階的に取り組む方針を示した。

 

金子大臣、見坂議員も挨拶

 技術者単価の上昇やスライド条項の試行、最低制限価格の見直しなど

 また、来賓として、金子恭之国土交通大臣(下写真左)、見坂茂範参院議員(同右)がそれぞれ挨拶した。


 金子大臣は「令和7年度補正予算では、国土交通省発足後初めて2兆円を超える規模の公共事業費を獲得し、令和8年度当初予算では6.1兆円強の予算を政府原案に計上することができた。今後、予算を円滑に執行し、防災・減災、国土強靱化の取り組みを加速するに際しては、建設コンサルタントの役割がますます大きくなっている。私の地元の熊本では熊本地震、令和2年豪雨災害、そして本年の8月豪雨が生じた。また、先日も島根、鳥取で大きな地震があった。かように自然災害が頻発化、激甚化している中、国土交通省としても、現場力、総合力をしっかりと発揮し、国土を守っていくために役立てていきたい」と述べた。

 さらに、「建設コンサルタントの担い手確保、育成を図るため、近年の労務費等の上昇もあり、強く要望いただいたスライド条項について、いよいよ来年度から試行して新たに取組みを開始するとともに、引き続き適切な技術者単価の設定による処遇改善や、適正な履行期間確保などによる働き方改革や生産性向上に積極的に取組んでいく」と語った。

 見坂議員も補正予算における国土交通省分が2兆円を超えたこと、来年度予算においても昨年度の前年度比20億円増から、一気に220億円増と大幅増加したことについて報告し、「来年度はもうひと桁増せるように努力したい」と語った。
さらに、建設コンサルタントの技術者単価についても言及し、来年度も上昇させると共に、長期的な課題と前置きした上で、「建設コンサルタント業務の最低制限価格、低入調査価格を現在の80%から工事の92%の方向に近づけていきたい」と述べた。

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