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2024.07.04

ESCON協会 和歌山国道管内で現場打ちESCONを初適用へ
年次総会を開催 ESCONビームに関する技術評価も

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 ESCON協会(会長=宮原一郎・株式会社エスイー社長、右写真)は3日、東京と新宿区の京王プラザホテルで年次総会を開催した。
宮原会長は、会長あいさつの中でESCONの近況について次のように述べた。
 「国土交通省では、繊維補強コンクリートを新技術として位置づけ、道路橋床版への適用を目指すマニュアルが作成されている。その施工工事として、近畿地方整備局の和歌山河川国道管内においてカルバート頂版更新工事(国道24号橋梁補修工事)が計画をされており、8月中に施工する予定である。直轄の国道では初めての工事実績となる」。

 「また、2023年度には土木学会において、ESCONビームに関する技術評価委員会が設置された。委員長には、東工大の丹羽淳一郎名誉教授が就任され、2回の委員会でご審議をいただき、技術評価をいただいた。近日中には、評価書の授与がいただける予定だ」。

 「一方、土木学会では高強度繊維補強コンクリートを用いた構造物の設計施工指針の作成が進められており、協会のメンバーも参加をしている。同指針は今年度中に発刊の予定である。ESCONの優れた技術を生かした構造物の実施工に向けて、環境は徐々に整ってきていると感じている。当初は2次製品を中心に、用途開発が検討されてきたが、現場施工も可能となるように開発が進んだということで、採用の範囲が大きく広がっていくと期待している」。

 総会では2023年度の活動報告、24年度の活動方針が示された。

 2023年の活動報告では、土木分野において、①ESCONを使用した構造物の設計マニュアル(案)の刊行・更新、②ESCON構造物の技術認証にかかわる資料作成と申請、③ESCON現場打ち工法としての課題抽出、④ESCONの諸物性確認に関する各種試験について報告がなされた。

 ①については『ESCONを用いた上部構造設計資料』の製本、『ESCON現場打ち施工マニュアル』、『ESCON二次製品製造マニュアル』と共に23年度通常総会において配布した。

 また、④については、現場打ちについて透水性・凍結融解抵抗性・自己収縮・強度発現などの諸物性の確認を行った。自己収縮および強度発現については、外気温の影響を確認すべく、5・10・20・35℃の各温度環境下にて養生し、計測を行った。

 2024年度の事業計画として、①ESCONを使用した構造物の設計マニュアル(案)の更新、②ESCON構造物の技術認証にかかわる資料作成と申請、③ESCON現場打ち工法としての課題抽出を行う。④さらにESCONのメリットを生かせる構造検討なども進めていく方針だ。

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