NEWSNEWS List
2025.03.06
NEXCO西日本 中国自動車道 鷹の巣橋吊り足場崩落事故に関する技術検討会(第2回)を開催
工事手順や各種基準の周知徹底、計画に応じた設計照査の徹底を行う
NEXCO西日本は、3月2日、中国自動車道 鷹の巣橋吊り足場崩落事故に関する技術検討会(第2回)を開催した。事故原因として①吊元部のアンカーの設置について計画と異なる位置にアンカーを設置し主桁の端部からの離隔が不足したことやアンカーの削孔長が不足したこと、②吊り足場張り出し部の施工手順について張り出し部の吊りチェーン未設置の状態で足場設置を進めたこと、③施工中の吊り足場上への資材搬入計画について足場上への搬入資材量が計画以上であった可能性があることの3点を確認した。また、足場の崩落メカニズムとしては、張り出し足場の先端に位置する吊元部にコンクリートの抵抗力と同等の荷重がかかり、吊元部が破壊し、その後他の吊元部も連鎖的に破壊していき、吊り足場全体の崩落に至った可能性があることを解析にて確認した。同社では再発防止策として、改めて工事に携わる全作業従事者に作業手順、設置基準、重量基準の周知徹底を行うと共に、工事受注者としての足場の設置基準、重量基準の管理及び計画に応じた設計照査の徹底を行うこととしている。
原因①については要因としてアンカーの施工位置(端部から 130mm、同値は施工計画に記載あり)、設置深さ(削孔長 68mm、同値はアンカーのカタログ記載の値)の基準値を作業員まで周知徹底していなかったこと、また現場状況により計画通り施工できなかった場合にアンカーの設置位置、設置深さを基準値以下とした場合の危険性について周知徹底していなかったことを挙げた。削孔長不足は最大15mmに達している。
最大15mmの削孔長不足 コンクリート面からアンカーが突き出ていた
アンカーの施工位置や設置深さの基準値を作業員まで周知徹底していなかったことなどが要因
原因②については、張り出し部の吊りチェーンの施工手順が明確ではなく、張り出し部の吊りチェーンの設置後に足場設置を進めることを作業員まで周知徹底していなかったこと、また張り出し部の吊りチェーンを設置せずに足場設置を進めることの危険性を周知徹底していなかった2点を要因とした。
原因③については、1 グリッド約 2.5m✕約 2.5m に対し、資材重量を最大で 600kg (資材重量600㎏は施工計画に記載あり)と設定していたが、組立てられた吊り足場内の 6 グリッドに最大で約 4t の資材等(重量は業者へのヒヤリングで推定)が搬入されたと推定した場合、積載重量超過となっていた可能性があることを挙げ、その要因として、資材搬入重量と配置面積によっては積載重量超過となる可能性があることを周知徹底していなかったことを挙げている。
同社では合わせて、吊り足場の施工中あるいは施工を計画中で吊元部がアンカー構造である 28 橋中当該工事の2橋を除く26橋において①アンカーの設置位置に対する点検、②吊り足場張り出し部の施工手順に対する点検、③施工中の足場上への資材搬入計画に対する点検をそれぞれ行った。
①については26 橋中 26 橋是正は無く、計画書どおりにアンカーを設置していることを確認した一方で、②と③については各6橋で是正が必要とされた。②においては実際の施工手順に応じた耐力照査がされておらず是正が必要であったが耐力照査を実施し、今後の施工に問題ないことを確認、③においては資材搬入時の足場の耐力が計画書に記載されていないなどの是正が必要であったが耐力照査を実施し、今後の施工に問題ないことを確認した。
今後、追加点検及び再発防止策を実施した工事は安全性を確認の上順次再開する一方で、事故を起こした当該工事については、関係機関の調査等を踏まえ、改めて当該工事に特化した再発防止策をまとめる方針だ。
足場の崩落メカニズム
標準的な足場模式図
原因①については要因としてアンカーの施工位置(端部から 130mm、同値は施工計画に記載あり)、設置深さ(削孔長 68mm、同値はアンカーのカタログ記載の値)の基準値を作業員まで周知徹底していなかったこと、また現場状況により計画通り施工できなかった場合にアンカーの設置位置、設置深さを基準値以下とした場合の危険性について周知徹底していなかったことを挙げた。削孔長不足は最大15mmに達している。
削孔長不足
最大15mmの削孔長不足 コンクリート面からアンカーが突き出ていた
アンカーの施工位置や設置深さの基準値を作業員まで周知徹底していなかったことなどが要因
原因②については、張り出し部の吊りチェーンの施工手順が明確ではなく、張り出し部の吊りチェーンの設置後に足場設置を進めることを作業員まで周知徹底していなかったこと、また張り出し部の吊りチェーンを設置せずに足場設置を進めることの危険性を周知徹底していなかった2点を要因とした。
吊りチェーンを設置せず足場内に推定で最大約4tの資材を搬入していた可能性
原因③については、1 グリッド約 2.5m✕約 2.5m に対し、資材重量を最大で 600kg (資材重量600㎏は施工計画に記載あり)と設定していたが、組立てられた吊り足場内の 6 グリッドに最大で約 4t の資材等(重量は業者へのヒヤリングで推定)が搬入されたと推定した場合、積載重量超過となっていた可能性があることを挙げ、その要因として、資材搬入重量と配置面積によっては積載重量超過となる可能性があることを周知徹底していなかったことを挙げている。
同社では合わせて、吊り足場の施工中あるいは施工を計画中で吊元部がアンカー構造である 28 橋中当該工事の2橋を除く26橋において①アンカーの設置位置に対する点検、②吊り足場張り出し部の施工手順に対する点検、③施工中の足場上への資材搬入計画に対する点検をそれぞれ行った。
①については26 橋中 26 橋是正は無く、計画書どおりにアンカーを設置していることを確認した一方で、②と③については各6橋で是正が必要とされた。②においては実際の施工手順に応じた耐力照査がされておらず是正が必要であったが耐力照査を実施し、今後の施工に問題ないことを確認、③においては資材搬入時の足場の耐力が計画書に記載されていないなどの是正が必要であったが耐力照査を実施し、今後の施工に問題ないことを確認した。
今後、追加点検及び再発防止策を実施した工事は安全性を確認の上順次再開する一方で、事故を起こした当該工事については、関係機関の調査等を踏まえ、改めて当該工事に特化した再発防止策をまとめる方針だ。