NEXCO中日本 北陸道高時川橋の床版取替工を現場公開

NEXCO中日本 北陸道高時川橋の床版取替工を現場公開
2024.07.31

70日の短工期 元請10人、下請110人の120人体制で施工を進める

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NEXCO中日本 大規模更新
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鋼構造物用 水系塗膜はく離剤 バイオハクリX-WB ミニマムメンテナンスの実現へ MKーエポザク 常に安全最優先で質の高い工事を行います

プレキャスト壁高欄 インフラテックのE&A工法を採用

A1とA2で異なる作業半径

 これらの作業について、1日当たりA1側は新設パネル換算6枚(既設床版撤去は12枚)、A2側は同4枚(同8枚)ずつ行っていく。A2側がA1側に比べてパネル撤去・取替数が多いのは、クレーンの配置の向きが関係しているため。「クレーンは米原から福井方面にしか入ることができない。そのためカウンターウェイトが後ろの方に位置するA1は作業半径が狭く(21m)なり、前の方に位置するA2は広く(26m)なる」(同)。


間詰部はループ継手を採用した (井手迫瑞樹撮影)

張出し床版下面から見た設置状況(井手迫瑞樹撮影)


 プレキャストPC床版の架設後は、間詰めコンクリートの打設を行っていく。そして間詰めコンクリートを打ち終わった後は、プレキャストRC壁高欄を設置していく。サイズは高さ890mm×幅(天端250mm、底面445mm)×長さ2,400mm。


間詰めコンクリートの打設状況

ミニマムメンテナンスの実現へ MKーエポザク スーパーブラスター工法 ミニマムメンテナンスの実現へ MKーエポザク

プレキャスト壁高欄 インフラテックのE&A工法を採用

アンカー材とエポキシモルタルを併用する新しい接合構造

 プレキャスト壁高欄はインフラテックのE&A工法を採用した。アンカー材とエポキシモルタルを併用する新しい接合構造を用いていることが特徴。地覆側にはφ50mmの受孔があらかじめ設置されており、壁高欄の底面に機械式アンカー(φ22mm)をつけて地覆側の孔に差し込む。その時点で壁高欄と地覆のクリアランスは10mm程度となっており、そこにエポキシ系の樹脂モルタルを充填することで接合するものである。壁高欄どうしは無収縮モルタルで充填して接合する。但し現場の壁高欄には通信管を路肩側4条、中分側2条設置する必要があるため、壁高欄の上部は長さ170mm×高さ550mmの範囲を切り欠き、左右の壁高欄内部の管を接続するため短い管を挿入し、シール材で巻いてバンドで固定したうえで、モルタルを打設し一体化する」(鹿島建設)。


壁高欄の設置状況



壁高欄基部モルタル打設状況



壁高欄交換接続状況



壁高欄接合部無収縮モルタル打設状況


 壁高欄は片側100個ずつ配置する予定で4.9tのキャタピラタイプのクレーンを2台用いて、1日当たり片側10個×2ずつ施工し、間詰めモルタルの打設も含めて2週間程度で完成させる。

 その後は床版防水(グレードⅡ、今回は工期を考慮し『レジテクトGS-T工法』(シーカ・ジャパン)を採用)を1週間程度で施工し、舗装の基層および表層を1日ずつ施工して、完工となる。


床版防水前下地処理状況

床版防水はレジテクトGS-T工法を用いた


 床版取替と並行して、既設伸縮装置6か所を構成フィンガージョイントに取り替える工事も行っている。

施工をスムーズに行うため、ソフトウェアも有効活用

車両感知センサーとLED表示板を連携

 施工をスムーズに行うため、ソフトウェアも有効活用している。

 ①資機材搬入車両でのリアルタイム運行管理システムの採用による待ち時間削減、②リモート検査の実施による移動時間、待ち時間の削減、③タブレット端末の活用による検査準備時間の削減およびペーパーレス化、④高速道路の本線での交通事故対策、安全委作業できる環境整備、である。


リアルタイム運行管理システムの採用/リモートによる現場立会、タブレット端末の活用


 ①、③では、資機材搬入車両にタブレット端末を搭載することで書く車両のGPS情報をもとに現場状況や道路混雑状況を車両運転手にリアルタイムに伝達することで、現場での搬入待ちの時間の削減が可能にした。

 さらに②ではリモートにより遠隔立会を導入することで現場への移動、時間調整の手間を削減した。またタブレット端末の活用により立会や打ち合わせ時の資料印刷などの事前準備の手間を削減した。

 安全対策にも力を入れている。受損事故対策として高速道路の脇にLED表示板や夜間での視認性が高い規制器材を導入し、走行車両への注意喚起を実施した。また、工事用車両の流入・流出時の事故対策として車両流入時には後続車両への注意喚起のため、車両感知センサーとLED表示板を連携させ、効率的な注意喚起を実施している。車両流失時には監視員による目視に加え2方向同時撮影カメラと大型のモニターを設置して安全に流出できるようにした。


安全対策


 熱中症対策として現場内に計測機器を導入し、熱中症の危険性が高まった場合に即時にメールで注意喚起し、測定結果や天気予報などをデジタルサイネージに映写し、朝礼やKY時に周知する。また空調服を導入し、炎天下でも快適に作業ができるようにし、冷房車・飲料水などを用意し、熱中症を予防する環境づくりを実施している。


熱中症対策

既設塗膜は低濃度PCB、鉛を含有

IH塗膜除去工法、塗膜剥離剤で既設塗膜を除去

 床版取替がすべて完了した後は、重防食塗装(c-3)への塗り替えを行う。上下線とも施工予定で、面積は19,000㎡超に達する。同橋の既設塗膜は低濃度PCB、鉛のいずれも含有しているため、通常のオープンブラストでは除去・1種ケレンができない。そのため平滑部においてはIH塗膜除去工法、隅角部や添接部については塗膜剥離剤を塗布し、既設塗膜を除去したうえで、ブラストを用いて1種ケレンを行い、塗替え塗装を施す方針だ。

 基本設計は中央コンサルタンツ。元請は鹿島建設、クレーンおよび切断工の一次下請は野田クレーン、カッター工の二次下請は東海カッター興業、床版防水・舗装の一次下請は鹿島道路、塗装工の一次下請は日本橋梁。

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