NEXCO東日本 圏央道4車線化の長大高架橋 谷田川高架橋の建設が佳境
都市計画道新都市中央通り線を跨ぐ部分は9月に架設予定
PD11~PD13間は調整池を半分程度埋め立てる形で桁地組及び架設ヤードを作って施工
都市計画道新都市中央通り線を跨ぐ部分は9月に架設予定
一方、PD11~PD13間は調整池を半分程度埋め立てる形で桁地組及び架設ヤードを作って施工している。架設時の高さとレベル(水平性)を取るため、調整池の埋立エリアには約4mもの高さに敷石し、さらに敷き鉄板を設置する。また、同径間は直上に高圧電線が架かる部分(地上高36.4m)があり、架設時に電線からの離隔を6m取る必要があることを考えると、架設時のクリアランスが非常に乏しい、そのため、ブームを非常に寝させた形でさらに30mほど伸ばして施工しなければならず、その安定を確保するためにアウトリガーを最大限伸ばしつつ、アウトリガーの設置面の安定性を確保するために(アウトリガーの設置面積を増やすべく)専用の敷き鉄板を配置して施工した。
調整池を埋めて施工する
PD11~PD13間の架設計画図
遠くに高圧電線が見える
高圧電線をかわして架設
都市計画道新都市中央通り線(4車線道路)を跨ぐ部分であるPD7~PD8間およびPD8~PD9間はPD8側の2車線を施工時に規制して、主桁を架設していく予定(9月に架設予定)。とりわけPD7~PD8間の主桁は両側の桁を架設した後、最後の主桁2ブロックは、2夜間直下の都計道を全面規制して、一日目に主桁と足場を地組立てしたブロックと、上部工検査路を架設、二日目に合成床版底鋼板の架設を行う(G1・G2地組桁→合成床版底鋼板の順)。架設クリアランスは20mm程度とり、そこにクレーンで落とし込みブロックを吊り降ろし、空中固定したうえで、PD8側の桁を位置調整して添接する。架設する2ブロックの中には、横桁が1本しか無く、架設時の形状保持に不安があるため、形状保持材を設置し、さらに吊り天秤を用いて架設を行うこととした。
都市計画道新都市中央通り線(4車線道路)を跨ぐ部分
なお、クレーンベント架設においては1期線が近接しているため、通常の人力介錯だけでなく、ウインチを用いた機械的な介錯を行い、1期線の桁に架設中の桁が衝突しないよう配慮している。
つくばエクスプレス跨線部 将来を見越して常設永久足場を採用
主桁下フランジ下面のみ Al-Mg溶射+ふっ素樹脂塗装
防食・剥落防止工
つくばエクスプレス跨線部においては、架線とのクリアランスはほとんどなく作業足場を設けることは非常に困難で、塗替え作業は、軌陸車に頼るほかない。そのため維持管理性の向上を図るべく、桁間および張り出し部においては底部を主桁の下フランジ下面に合わせる形で、常設永久足場(NSカバープレート)を設置する。主桁下フランジ下面のみ、鉄道架線との離隔から覆えないため、同箇所についてはAl-Mg溶射+ふっ素樹脂塗装のハイグレードな防食を施し、塗替え周期の長期化を図っている。なお、1期線部においても、2期線部の常設足場設置の時間を利用して、同時に常設足場を設置する予定だ。
溶射施工状況
その他の区間は通常の重防食塗装を採用している。
剥落防止工はつくばエクスプレス跨線部と都計道跨道部においては鋼製埋設型枠を採用することで対応する。その他の区間は、市道及び谷田川などにおける河川管理用道路を跨ぐ部分に加えて隣接企業区域に接する部分について、アラミドメッシュを用いた剥落防止工を施工する予定だ。
合成床版 寒中コンクリート打設対策が必要になる可能性も
合成床版のコンクリート打設
合成床版のコンクリート打設は、合成床版底鋼板の架設が全橋で完了して後に行う。打設時季は冬季になる予定であり、「つくばは関東といえども寒いため、寒中コンクリート打設対策が必要になる可能性もある」(川田工業)。また、プラントも10km以上離れた箇所しかなく、「これだけの面積を賄うには1プラントでは供給能力に不安があるため2~3プラント選定予定である。圧送距離も最大で100m近くなることから夏季の打設の方が条件は厳しかった」(同)。今回はスランプ12cmの普通コンクリートを用いて打設するということだ。
設計はNEXCO西日本コンサルタンツ。下部工元請は大本組。上部工元請は川田工業。送出し施工の一次下請はオックスジャッキ、二次下請は隆建設。鋼橋架設工の一次下請は、金子建設、二次下請は東北重建、金野工業、高橋架設、金澤組、金子技建、余語建設、三次下請は笠倉工業、ものノふJAPAN。重機工の一次下請は西山運輸機工、野竹興業。塗装工の一次下請はy’s、排水工の一次下請は共栄。コンクリート打設工の一次下請は小林建設。