2024年春のNEXCO中日本金沢支社大規模更新シリーズ③ 北陸自動車道滑川IC~魚津IC間岩原橋(下り線)A1~A2間と中島橋(下り線)A1~A2間の床版打換工事

2024年春のNEXCO中日本金沢支社大規模更新シリーズ③ 北陸自動車道滑川IC~魚津IC間岩原橋(下り線)A1~A2間と中島橋(下り線)A1~A2間の床版打換工事
2024.10.30

床版の再構築に厚さ80mmのプレキャストPC底板を採用

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大規模更新 床版 NEXCO中日本
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型枠の代わりに埋設PC底板を設置

型枠の代わりに埋設PC底板を設置

打設後は保水性の高い養生マット「セレキュアモイスト」を使用

 切断後、撤去に使うクレーンは70tラフターを用いる。中島橋は橋台パラペットの後ろにクレーンを据え付けて撤去する。A1、およびA2からクレーンを移動させて1台で施工する。

 岩原橋も同様に両側から撤去するが、A1側は直上に高圧電線があるため、クレーンを高速道路上に据え付けられない。そのため桁下にクレーンを設置し、桁下から撤去している。A2側は中島橋と同様に橋台パラペットの後ろにクレーンを配置して床版を撤去した。



岩原橋既設床版撤去図

 クレーンの能力とブームの距離を考慮し、1ブロック当たりの撤去サイズは重量3t弱~5.4t、幅は主桁間隔、長さは4,000~1,735mmとした。

 本現場で特徴的なのは、型枠を組まず、その代わりに埋設PC底板を設置して床版を再構築する手法を執っていることである。そのため、ハンチ部は基本的にPC板が片持ちになり載せられない両最外部しかなく、その他は全てPC板を梁に載せることで成立する構造となっている。そのため、ハンチ筋の削孔はG1およびG4桁の外部しか発生せず、工程短縮に寄与する。


岩原橋の主桁及び横桁改修図

中島橋および岩原橋のPC底板配置図




PC底板の架設および設置状況(右上のみ井手迫瑞樹撮影)


 さて、主桁と床版をつなぐスターラップ筋は、まず全部溶断する。その上で、正規の高さ分の鉄筋をエンクローズド溶接でつなぐ。エンクローズド溶接は2人1班で1日約200本程度施工した。岩原橋では2,200本、中島橋で1,700本の溶接個所があり、両橋とも10日間前後の施工期間を必要とした。次いでPC底板を設置する。PC底板の厚さは約80mmで、中にはφ9.3mmのPC鋼材が内包されている。型枠の内側は凹凸を付けて打設時のコンクリートの付着力を向上させている。


エンクローズド溶接



架設されたPC底板を下から見た状況(井手迫瑞樹撮影)


 PC底板の設置は、まず継ぎ手部を施工する。底版面は最下面をコーティングして無収縮モルタルで打設したうえで隙間テープを施したスポンジシールを設置したもので、その上にPC板を設置する。プレキャストPC底板の1枚当たりサイズは橋軸1000mm×直角が2030mm、重量は約400kgで、中島は102枚、岩原で144枚用いた。PC底板の配置は3日程度で完了させた。従来であれば支保工を組み替えて型枠を施工する必要があったがその手間が減った結果、1週間程度の工期短縮に寄与した。さらにPC板は丈夫なため、鉄筋を組む時の足場代わりにもでき、中段足場も不要となり、コンクリート打設のボリュームも減るため、それらの工期短縮にも寄与している。



配筋およびPC鋼材の設置状況(上段の配筋写真は井手迫瑞樹撮影)


 次いで、床版上の鉄筋配置を行い、PC鋼材を約600mmで直橋なりに配置する。鉄筋は全てエポ鉄筋(筒井製)、PC鋼材はプレグラウトタイプを採用した。橋台部の表面被覆にはRTワンガード工法を使用。中島橋は直橋であるが、岩原橋は斜角75°を有するため、斜角なりでPC鋼材を配置した。


中島橋および岩原橋の配筋図



中島橋および岩原橋の横締PC鋼材配置図


 その後、コンクリート打設を行ったPC底板が80mmあるため、主桁直上部では263~292mm(上フランジ上面も含む)、PC板部は180~200mmという打設厚となった。


コンクリート打設状況


 打設は、6月下旬に行った。散水養生を念入りに行い、打ち重ね時間を1時間半以内に抑え、施工した。スランプは12cm。暑中時であれば暑中時の配合に見直して施工している。

 特に排水桝周りの鉄筋が密になっていることから、通常のバイブレータでは挿し込みが難しい。そのため小径の強力バイブレータを挿入して、しっかりとエアを抜き、締固めを行い、床版端部の品質を確保した。バイビングの施工ピッチは500mmピッチとし先行、メイン、エア抜きと1か所に付き3回ずつ施工した。

 打設後は保水性の高い養生マット「セレキュアモイスト」を使用し、7日間養生した。

 その後は壁高欄を現場打ちで施工し、高性能床版防水(ニチレキ製『ハイブレンAU』)、舗装基層(FB13)、排水性舗装を施工して完了させた。


壁高欄の型枠および配筋状況

床版防水および舗装工施工状況


 最盛期は職員8人、作業員82人が作業に重視、5月18日~7月24日の工期内に無事完了させている。

 元請は川田建設、下請は今井重機建設(床版打換工)、第一カッター興業(既設床版撤去工)、根尾建設(床版打換工)、NIPPO(防水舗装工)。


完成状況(中島橋(左)、岩原橋(右))

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