たのしい土木
1日3万台が通る宝塚IC出入口の小浜橋を鋼合成床版橋で架替え
80N程度の強度を有する排水溝『YNタフドレーン』を採用
高強度繊維補強モルタル製排水溝を採用
床版防水工はGⅡを用いる
上部工の排水は両桁端部から行う構造としている。排水溝は金属製やFRP製の排水桝などは使わず、YNタフドレーン(横河NSエンジ二アリング・中川ヒューム管工業の共同開発製品)を採用した。同製品は80N程度の圧縮強度を有する繊維補強モルタルで作られているもので長期の耐久性が期待できる。排水断面高さは、100mmとし、舗装厚の-5~+45 の対応が可能なように、所定の高さより20mm高い値に設定した。排水溝の幅は140mm程度に設計し、十分に水が呑める構造としている。同排水溝は緻密なモルタル層であるため、水分および塩化物イオンが浸透しにくい構造であるが、防水層の施工試験を別途行い、排水溝の通水面は床版面と同様にグレードⅡ仕様(今回はニチレキ製『HQハイブレンAU』)の防水工を施工した。
YNタフドレーン
YNタフドレーン概要図と防水工施工状況①
防水工施工状況②
記者が取材した3月13日は小浜橋のJランプ橋の最終1日前の架設となるP1-P2間14.5mの架設を行った。21時に国道176号の車線規制を開始し、対面通行にした上で、21時50分ごろから移動多軸台車が移動を開始し、22時半頃には所定位置に到達した。Iランプ橋との離隔は最大で110mm程度しかなく、事前にA1-P1間の架設が行われているため、その壁高欄との擦過も避けなければならず、設置高+1.3mほどの高さに上げた状態で所定位置まで移動させ、位置調整を行い、ジャッキダウンを開始、24時頃にはジャッキダウンを完了し、微調整を施し、桁添接および横ずれ防止架台を設置した。
移動多軸台車で桁を運ぶ
極めて狭い離隔の中で位置を合わせ慎重にジャッキダウンした
外部から見たジャッキダウンがほぼ完了した状況
最終径間の桁架設状況と完了した状況
全桁架設後は剛結部および床版間詰め部のコンクリートを打設したうえで、床版防水、舗装工などを施工し、4月25日早朝に供用した。
床版防水工施工状況
舗装工施工状況
元請は横河ブリッジ・三井住友建設・IHIインフラシステム・奥村組・横河NSエンジニアリングJV。主要一次下請は、撤去工が第一カッター興業(株)、架設工が日本通運(株)関東重機建設支店。