名高速 高速16号一宮線一宮中入口~清洲JCT間(上り線)延長約8.9kmのリフレッシュ工事を実施
WJ 騒音は従来比10dB以上低減
WJ 騒音は従来比10dB以上低減
WJを用いたはつりの際に懸念されるのが騒音と水である。
騒音は従来のブレーカーはつりと比べると10dB以上低減するなど飛躍的に改善されている。さらに施工は日中に行うことで、対策を行っている。
施工で生じる水については、床版のひび割れを通じた床版下面からの漏水を防ぐため、使用した水を可能な限り同時回収できること、削孔深さの管理が可能であること、はつり時のガラが飛散しないこと、騒音が最小限に抑制できること、小規模補修へ対応可能であることを要求性能とした。さらに騒音を抑制するため、「WJ施工時にははつりや研掃施工部の機械にカバーをかぶせて抑制することも働きかけていく」(同)。
それでも車両編成が長く、ホースが長くなるとバキュームの吸引力が届かず、水が滞留してしまう箇所もあった。とりわけRと勾配が激しい箇所では、リフレッシュ工事前の先行施工区間で実際にWJ施工時に水たまりが生じていたことから、「ホースの長さを調整し、バキューム車を前に動かすなど、計画時に前もって水対策を詰めることを要求している」(同)ということである。
今回、はつりは前年度も施工に携わったサーフェステクノロジー(使用WJ機械『オートチッパー』を1台)用いて施工した。
WJ(はつり用)の施工状況(オートチッパー)
研掃用WJは同社に加えて、フタミ、キクテック、日本水機工が施工した。「今までの路線と異なりシート防水面積が大きいことから、今までは部分的であったRC床版研掃用のWJの運用・施工を適切に行い、複合床版防水の性能を担保できる既設防水層の撤去が適切に行えているか、そのあたりの指導に気を配っている」(同)。
路肩コン 静的破砕材『太平洋ブライスター』で破砕した後、バックホウで撤去
基層と防水工を兼用できる改質グースアスファルト防水も一部で採用
路肩コンクリートの撤去は、基層まで舗装を打ち換える部分4.6kmの追越および走行車線側計9.2kmで撤去を行う予定だった。事前にカッターで1035mm程度の幅で溝切りを造り、静的破砕剤『太平洋ブライスター』を流し込む。
路肩コンクリートはブライスターを流し込み、バックホウで撤去
24時間養生を行って、破砕が進んだのちにバックホウで撤去する手法で、従来の手斫りなどと比較して騒音も、床版や高欄に対する影響も最小限に抑制できる。但し、2日に生じた豪雨により、一部でブライスターの事前施工ができなくなり、「撤去計画延長全体の約1/3~1/4の区間で撤去を断念せざるを得なくなった」。今次施工区間の路肩コンクリートについては、表層までの舗装打ち換え区間(延長6,460m)と今回施工できなかった部分で残置することとなるが、今後のリフレッシュ工事で改めて撤去を進めていく予定である。
さらに今回のリフレッシュ工事では、名高速としては初めて、首都高などで騒音抑制効果が高い舗装として実績のある小粒径ポーラスを表層に試験施工した。面積は約1,280㎡。今後は騒音抑制効果や耐久性などを確認しつつ、採用に向けて検討を進めていく。
小粒径ポーラスを表層に試験施工
基層と防水工を兼用できる改質グースアスファルト防水も一部で採用する。採用箇所は、床ランプ単路部で今後の規制が行い難く、ポットホールが多数発生している個所で用いた。
施工は第1工区(宮8~宮55、春日出口、延長2,090m、表層打換え4,730㎡、基層までの打換え17,170㎡)が中部土木、WJ一次下請が日本水機工、断面修復工一次下請が大塚建設、髙田、朝日舗装、橋面防水工一次下請がワプル。第2工区が(宮52~宮101、西春出口、延長2,870m、同14,630㎡、11,950㎡)が大有建設、WJ一次下請がキクテック、断面修復工一次下請が丸一建設、シンテック、床版防水工一次下請が東亜道路工業。第3工区(宮101~宮144、一宮ICAランプ、一宮西春出口、延長2,210m、同7,880㎡、18,420㎡)が世紀東急工業、WJ一次下請はフタミ、床版防水工一次下請が東亜道路工業、中部ニチレキ工事、断面修復工一次下請が相馬建設、ケミカル工事。第4工区が(宮174~宮144、一宮中入口、延長1,740m、同2,860㎡、10,800㎡)が前田道路、WJ一次下請はフタミ、断面修復工一次下請が栄信工業、床版防水工一次下請が中部ニチレキ工事。ショットブラスト工の一次下請はいずれの工区もフタミ。