阪神高速道路14号松原線喜連瓜破高架橋の橋梁更新工事の軌跡

阪神高速道路14号松原線喜連瓜破高架橋の橋梁更新工事の軌跡
2025.03.31

都市高速の今後の架け替えのモデルとなる現場

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大規模更新 阪神高速道路
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スーパーブラスター工法 モノを動かし、ミライをつくる。 特殊ジャッキのパイオニア

ジャッキによる送り出しと自走多軸台車による引き出しを併用

ジャッキによる送り出しと自走多軸台車による引き出しを併用

テーブルリフトを用いてジャッキダウン、桁降下作業を短時間化

 架替え桁の架設

 まず両側径間部の地組・架設である。


桁の搬入および地組状況(北側側径間部)

送り出し設備の設置状況

自走多軸台車の組立状況


 

 地組は両側径間とも架設範囲の外側にある既設桁上で行う。地組には220tクレーンを用いた。側径間は北側(P464側)が架設長57.114m、鋼重が約500t。南側(P467側)は57.12m、鋼重は約500tである。


鋼桁架設一般図(クリックで拡大してご覧ください)


 当初はダブルツインジャッキとエンドレスローラーで送り出す。しかし、全送出し長(両側径間とも62m)を送り出そうとすると、手延べ桁が必要になり、その後の橋脚上でのジャッキダウンの手間が大きくなり、夜間の通行規制期間を長く取る必要が生じる。

 そのため、効率的な施工とすべく、本架設では4班の自走多軸台車を用意し、ある程度送り出した状況で、まず2班の自走多軸台車が桁下に移動し、台車上のテーブルリフトを上昇させて桁を受ける。そして桁上の送り出し装置と自走多軸台車が両方で分担して桁をさらに前方へ桁を送り出していく。さらに送り出しが進行した後、はもう2班の自走多軸台車が後方台車として桁下に侵入し、同様にテーブルリフトで桁荷重を受ける。その後は送り出し装置との縁を切り、反力を全て自走多軸台車だけで負担し、桁を引き出していく。桁を最終的な位置まで送り出し後は、テーブルリフトを用いてジャッキダウンさせ、橋脚上に予めセットしてあった支承に荷重を預けて架設を完了させた。これにより手延べ桁を必要とせず、なおかつ桁降下作業も短くなり、規制時間も最小限にすることが出来る。


4班の自走多軸台車が用意された(2024年6月15日深夜、井手迫瑞樹撮影)

自走多軸台車の現場への移動状況(2024年6月15日深夜、井手迫瑞樹撮影)

まず前方台車が入りテーブルリフトを伸ばす。送り出しであるが手延べ桁がないのも特徴だ(2024年6月15日深夜、井手迫瑞樹撮影)

まずはエンドレスローラーで送り出していく(2024年6月15日深夜、井手迫瑞樹撮影)

エンドレスローラー(左写真) / 後方台車も入った(中、右写真) (2024年6月15日深夜、井手迫瑞樹撮影)

台車に荷重を預けて、引き出していく / ほぼ到達(2024年6月15日深夜、井手迫瑞樹撮影)

到達後はテーブルリフトを使ってリフトダウンしていく

リフトダウン完了後は後方台車(左、中)、前方台車(右)の順に桁下から退出していく(2024年6月15日深夜、井手迫瑞樹撮影)


 降下量は3m前後に達する。通常であれば、送り出し当日はサンドルで仮受けした状態で終わり、後日に降下作業を行わなくてはならないが、今回は支承の上の据付けまで1夜間で出来るのが特徴である。そこがこの工法の採用理由でもある。通行止めの規制開始は、夜の21時からスタートし、作業完了はいずれも「翌朝6時の規制解除直前までほぼ目いっぱい使い施工した」(MMB)ということだ。


ほぼ据え付けが完了した状況(2024年6月15日深夜、井手迫瑞樹撮影)

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中央部 全体鋼重は500tに達する

ヤードから交差点中央までは100mの距離を運ぶ

 さて、次に架設したのが、中央部である。ブロック長は39m、本体鋼重は330tであるが、治具などを合わせると全体鋼重は500tに達する。これを両側のクリアランスが40mmずつしかない箇所に架設し、剛結しなくてはならない。

(当日の架設現場映像は下記アドレスからご覧ください)
https://www.youtube.com/watch?v=QF6jVgVdbKk

 前日までにヤードで大型クレーンを使って上下4車線分の巨大なブロックを自走多軸台車上(4軸2台×2組+5軸2台×2組という大規模なものである)に組み、当日21時からの交通規制を待った。ヤードから交差点中央までは100mの距離がある。その距離を巨大な鋼桁が移動しなくてはならない。


施工前の交差点部。この空間も見納めである(2024年9月14日深夜、井手迫瑞樹撮影)

施工前の中央部桁ブロック


 そのため、交通規制完了(21:00)後は、自走多軸台車を安全に走行させるための平坦性の確保と舗装の養生のための敷き鉄板を設置し、同時に走行の支障となる信号機を仮撤去した。


障害物となる設備の移設(2024年9月14日深夜、井手迫瑞樹撮影)


 22時半から自走多軸台車の運搬を開始。巨大な鋼桁を慎重にゆっくりと確実に移動していった。交差点に到達後は、実際の橋の線形に合わせるため、桁を90°回転させ、所定の位置に据え付けた。その後吊り上げ作業を開始したが、吊り上げには一機当たり150tの吊り上げジャッキを8基用いている。24時過ぎに吊り上げを開始し、25時過ぎには吊上げを完了して桁の接続作業を開始した。吊り上げ桁と左右の架設済みの桁の隙間は左右40mm程度しかなく、それをさらに40mmセットフォーして離隔を両側20mmずつに縮めたうえで、仮添接を行った。


巨大な桁が動き出す / まずはヤード内で移動 / ヤードから道路に出る際の建物との離隔は僅か30cmしかなかった
(2024年9月14日深夜、井手迫瑞樹撮影)

交差点到着後は回転して桁を所定の吊上げ位置に到達させる(2024年9月14日深夜、井手迫瑞樹撮影)

吊上げ設備(2024年9月14日深夜、井手迫瑞樹撮影)

所定の接続高さまで吊り上げていく(2024年9月14日深夜、井手迫瑞樹撮影)

自走多軸台車が退出し、桁の剛結作業を行っている状況(2024年9月14日深夜、井手迫瑞樹撮影)

供用を前日に控えた状況(2024年12月5日、井手迫瑞樹撮影)


 

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常設足場を設置 外面塗装はグレードを落としコスト縮減

国内では初めて裏面吸音板を一体化させた足場パネルを採用

 防食

 架け替えを行う高架橋の直下は近畿有数の交通量を誇る瓜破交差点である。そのため、規制下での塗装塗替え作業はなかなかできない。そのため、桁を覆うように常設足場を設置することで桁下を規制する塗替え作業を最小限にするように工夫している。

 常設足場内部の外面塗装は、グレードを落とし内面塗装系のD系塗装にしている。塗装のグレードを下げられることや、塗装回数を減らすことにより、LCCも30年で逆転できる。常設足場の床面積は2,850㎡ほどで、側面パネルを含めれば3,400㎡ほどに達する。さらに今回の常設足場は国内では初めて常設足場に裏面吸音板を一体化させた足場パネルとなっており、桁下の騒音も抑制できる。

 桁架設後は、橋面上の作業がメインとなり、伸縮装置の設置(ミカサ金属工業製)、壁高欄など付属物および舗装の施工、添接部及び橋脚部の常設足場の設置(架設時は邪魔になるため同部分だけは足場を設置せず架設していた)を行った。鋼床版上はショットブラストを施工した上で基層・表層を施工した。壁高欄は、外殻は鋼製型枠を用いているが、内部は通常のRC壁高欄を採用している。鋼製型枠を用いたのは、剥落防止の観点という事で、防食塗装は、阪神高速の規定に基づく塗料(大同塗料製)を用いている。 

 元請は大成・富士ピー・エス・MMBJV。鋼上部工の製作・架設以降はMMBが担当している。一次下請は宇徳、オックスジャッキ、植田建設工業、舗装は大成ロテック。

 架設時の最盛期は元請20人、作業員(規制要員除く)100人が従事した。

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