高専発、インフラメンテナンス人材育成・KOSEN-REIM(高専レイム)の挑戦

第7回 橋梁診断で求められる設計施工のスキル修得(専門特修講座:施工技術と施工管理)
【第7章 技術のライフサイクルコスト — 長く活きる学びの価値】
ここまで、本講習会の様子を写真とともに紹介してきました。本講習会では、座学と実習を組み合わせ、鋼橋・コンクリート橋の設計、施工、管理までを体系的に学ぶ機会を提供しています。参加者は真剣に手を動かし、意見を交わしながら学び、この「考え、試し、理解する」過程こそが、“高専流のアクティブ・ラーニング”です。施工に初めて触れた方からは「手に取るように理解できた」、施工経験者からは「理論的背景を知り体系が整理された」といった声が寄せられ、受講者の立場を超えて学びの価値が実感されています。
一般的な民間資格講習の多くは「短時間で資格を取得する」ことを目的としていますが、本講習会は「業務を正しく遂行する」ための実践的な学びに重点を置いています。そのため、コンクリートと鋼、施工と管理といった幅広い分野を少人数制の実習を交えながら深く学べる点が大きな特徴です。KOSEN-REIMの講座は「他の民間講習よりも期間が長く、料金も高い」と言われることもありますが、短期的な資格取得にとどまらず、実務で活きる確かなスキルを身につけることこそが、長期的に見たときの大きな価値につながります。
診断業務に直結しないように見える設計や施工の知識も、一見遠回りに思えるかもしれません。しかし、それらを学ぶことで、より本質的な思考力が養われます。高専としての運営上、決して効率重視ではなく、受講者が「本当に必要なスキル」を獲得できることを最優先に設計しています。結果として、短期の資格取得では得られない総合力を養うことができるため、本講習会は長期的に見てもコストパフォーマンスの高い学びの場となっています。
【第8章 まとめ・今後の展望】
令和6年の点検要領改訂を受けて、橋梁診断の重要性がますます高まっています。施工技術と施工管理を正しく理解できれば、損傷の原因を正確につかみ、適切な補修の判断がしやすくなります。
本講習会は、こうした実務にすぐ活かせる知識と技術を提供し続けるため、内容を更新しながら発展させていく予定です。診断講座受講生以外でも、スポット参加で学べる枠を用意していますので、「施工を基礎から学びたい」「社員に研修を受けさせたい」という方はぜひご検討ください。
受講の申し込みは例年3月頃に開始し、舞鶴高専の公式ページにて最新情報を公開しています。一連の「専門特修講座」群の開催場所は舞鶴高専がメインですが、連携高専やその他の機関での開催についても相談を受け付けています。
リンク:公式ページ
https://www.maizuru-ct.ac.jp/imec/curriculum.html
謝辞
本講座の開発にあたり、鋼橋の製作・架設、コンクリート橋の施工に関する現地取材や動画提供にご協力いただきました関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。また、鋼部材の溶接・塗装、コンクリート施工に関するサンプルを特別に作製していただいた企業や団体の皆様のご支援にも、厚く御礼申し上げます。(次回は2026年4月1日掲載予定です)