能登復興特集② 中能登の地震による被害と復旧状況
トイレやシャワー、暖房、水や食料などの充分な備蓄や整備は、有事に大変役立つ
発災後2~3時間で事務所のほとんどの人間は集合
トイレやシャワー、暖房、水や食料などの充分な備蓄や整備は、有事に大変役立つ
――さて、話はいったん変わります。地震発災時の職員および幹部の状況と、その後の対応および人員の増員について教えて下さい
宮村 発災時私は金沢にいました。事務所は通常時最大90人ほどの体制で動いていますが、発災後2~3時間で事務所のほとんどの人間は集合しました。しかし、直面したのが断水と暖房の機能停止でした。電気が通っていたのが幸いでしたが、水はなく、暖房も水循環型であったため、その機能は喪失しており、水は羽咋の2つの支所からのポリタンクによる支援、暖房はストーブなどをかき集めてしのぐという状況でした。参ったのがトイレです。断水のため、所内のトイレは機能喪失状況でした。そのためビニールを敷き、その上に用を足す、簡易トイレで本格的な移動型トイレが来るまでの急場をしのぎました。また、シャワー設備もなく、お風呂などは全く入れない状況でした。七尾市に支援のフェリーが入ってからは、数日に一度ですが、シャワーを浴びることができるようになり、ほっとしたことを覚えています。
職員は、発災後しばらくは休みなく仕事をしている状態であり、非常に苦労を掛けました。能登地域にお住まいの方々は、さらにしんどい状況にあったと思います。
道路面では、奥能登に通じていたのは内浦側の国道249号だけという状態でした。しかも全線が通じていたわけではなく、市町道などのう回路を使いながらかろうじて細い一本の糸をつなげていた状態でした。これを太い綱にすることが、当面我々に課せられた使命であると思い、その拡充を主眼に当初は動き、何とかそれは早期に達成できたと考えております。
今後の課題ですか? やはり有事の体制強化ですかね。とりわけトイレやシャワー、暖房、水や食料などの充分な備蓄や整備は、有事に大変役立ちます。職員の士気維持はもちろん、市民への提供という意味でも役立ちます。こうした設備はもっと拡充していかなくてはいけないと感じます。
――9月の豪雨の影響は
宮村 当事務所は豪雨の影響はそれほどありませんでした。小さな護岸の被災などはありましたが、奥能登と比べれば軽微なものでした。しかし、中能登にも奥能登のような豪雨災害がいつやってこないとも限りません。そのため御祓川、熊木川、米町川などで川幅を広げる河川改修を行っています。
米町川渡河部で米町川橋の架替工事を進める
七尾市街地から和倉温泉につながる舗装の本復旧も進め、観光地を復活
――今後の本復旧に際して考えていることがあれば
宮村 のと里山海道については、崩れなかった箇所についても、斜面や盛土部の安全性チェックを行い、その上で、被災しなかった箇所についても必要であれば耐震化を進めていくことが重要であると考えています。道路の本復旧についても工夫が必要で、車道幅を広げて、緊急時に通行しやすくするなども考えていきたいです。
緊急輸送道路の整備も重要です。現在は一般国道249号の改良工事を進め、米町川渡河部で米町川橋の架替工事を進めています。同橋は鋼単純鋼床版箱桁橋ですが、上部工の架設を完了し、前後の道路の地盤改良を進めています。こうした工事も、有事において道路の機能を維持し、緊急輸送を確保するために必要な工事であり、その進捗を早めていきたいと考えています。
また、七尾市街地から和倉温泉につながる舗装の本復旧も進めます。現在4か所の宿が動いていますが、令和7年度内には5箇所の宿が再開、さらにはその翌年度には老舗の加賀屋さん含め、多くの宿が再開を目指しています。下水道を所管する七尾市との協議の上ですが、舗装などをきれいに整備し、観光客の方々が安心して使用できる道路の再整備を出来るだけ早く進めていきます。同時に和倉温泉の県管理の護岸の整備も進めていきます。
――能登半島は景色もよく「修景」という面も復興に際しては配慮しなければなりませんね。
宮村 「絶景海道」というテーマが国県で共有されています。中能登も半島の内外浦、能登島と修景的には非常に良いポテンシャルを有しています。それをどのように生かしていくかという事が、道路整備の上での課題になってくると考えています。
――最後に付言して
宮村 地震の復旧工事については、今年度から準備が整ったところから、工事に着手しております。これからも引き続き、準備が整い次第、工事を進めていきます。少しでも早く元の状態に戻るよう頑張っていきたいと考えています。また、通常の事業として河川改修を行っています。志賀町の方では米町川を跨ぐ箇所で米町川橋を架設する工事を行っており、上部工架設が完了した状態です。同橋が供用されれば、第1次緊急輸送道路である国道249号の機能強化につながります。少しでも能登地域の方々のために安全・安心な道路整備を頑張っていきたいと考えています。
――ありがとうございました