国土交通省 四国地方整備局 豊口佳之局長インタビュー
INDEX
防災力強化とDX推進を両輪に地域の安全を確保
DXが支える「持続可能なインフラ管理」
SNSで発信力のあるクリエイターと連携し建設業の魅力を発信
−−国交省ではDXの推進・活用を大きなテーマとしておいでですが、新設や災害復旧はもちろん、維持管理業務においても、点検作業の効率化や立会の効率化、工事や点検などの安全向上の面(無人化技術など)など用いている取り組みを教えてください。
豊口 四国では、人口減少が全国より早い時期から進み、建設業の担い手も減少しています。一方で、南海トラフ地震の切迫性や豪雨災害の激甚化、さらにはインフラの老朽化が重なり、対応すべき業務量はむしろ増えています。管理すべき国土面積や河川・海岸延長は変わらないなか、限られた人員でどう維持管理の質と安全性を確保するかは大きな課題です。こうした背景から、DXの活用等による生産性向上を積極的に進めています。


その中核となる取り組みの一つが、直轄管理区間を対象とした「スマートリバースポット」です。除草ロボットによる自動除草、ドローンによる定期的な巡視・撮影、AIによる画像解析といった自動化・遠隔化技術を組み合わせ、省力的で効率的な維持管理を実現する仕組みです。無人化施工や点検支援技術の導入も進めており、河川・道路・ダム・国道の維持管理の高度化につなげていきます。

これらの取り組みを後押ししているのが、国が進める「デジタルライフライン全国総合整備計画」です。自動運転やドローン物流といったデジタルインフラを全国で整備していく構想で、河川上空を活用したドローン物流の実証や通信環境整備は、将来的に河川管理の効率化にもつながります。物流事業者が使う通信インフラと河川管理のDX基盤は重なる部分が多く、相乗効果が期待される分野です。



省力化技術と並行して、人材確保に向けた取り組みも重要です。DXは若手の参入を促すだけでなく、体力面で現場作業が難しくなったベテラン技術者の知見や技術を遠隔操作などで活かすことも可能にします。また、高齢者や女性、障害のある方を含め、多様な層が建設産業で活躍できる環境づくりにもつながります。
さらに、建設産業の魅力発信にも力を入れています。四国では、「四国地方整備局オフィシャル広報パートナー」としてSNSで発信力のある地域のアーティストやクリエイターと連携し、現場見学や作業体験を通じて建設業の仕事の面白さや社会的意義を発信する取り組みを進めています。こうした施策は、新しい層へのアプローチが可能で、建設産業への理解促進にも大きな効果を上げています。



DXによる効率化と、人材確保・魅力発信の取り組みを並行しながら、限られた人員でも持続可能なインフラの整備・管理体制を整えていくことが、これからの重要な課題であると考えています。
防災力強化とDX推進を両輪に地域の安全を確保
四国8の字ネットワーク・流域治水・港湾海岸の三重防御の着実な推進と担い手確保へ
−−最後に一言お願いいたします。
豊口 四国で進めている道路・河川・港湾の主要事業は、いずれも防災対策としての性格が非常に強いと考えています。道路では「四国8の字ネットワーク」の整備により、津波や土砂災害時にも機能を確保できる広域的な交通網を構築し、河川では流域治水の考え方を踏まえた各種対策を進めています。港湾においても、津波のエネルギーを段階的に減衰させる高知港海岸での”三重防護”を中心に、地域の安全性を高める取り組みを推進しています。
こうした災害対策の強化は、結果として地域の競争力や持続的な成長にもつながるものです。しかし、四国は全国と比べても人口減少の進行が早く、災害リスクへの対応とインフラ管理を担う人材の確保が大きな課題となっています。そのため、DXの先行導入による省人化や効率化、そして建設産業の魅力を広く伝える広報活動は、他地域以上に重要性が高いと感じています。
スマートリバースポットなどの自動化技術のDX活用や、積極的なPRによる担い手確保の取り組みを進めながら、主要プロジェクトを着実に推進し、四国全体の安全性と生産性の向上に努めてまいりたいと考えています。
−−ありがとうございました。


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